経胸壁心臓超音波検査におけるTVI法の有用性の検討

目的:経胸壁超音波検査(TTE)は非侵襲的で, ほぼあらゆる状況で描出可能である. この方法における左室拡張能の評価には, 心尖部四腔像で測定するE/A比が広く使われている. この検査は洞調律でしか成立しない. E/A比は正常で1以上, 左室拡張能低下例で1以下となり, さらに拡張障害が進行し左房圧が上昇すると, 偽正常化パターンを呈しこの場合左室機能も含めて, 総合的な評価を求められる. 今回我々はGE社vivid7導入に伴い, TTEでTvI法を用いて求められるE/A比と心尖部四腔像から得られるE/A比との関連を検討した. 対象:TTEを施行したLV asynergyを認めない連続68例(...

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Published inJournal of Nippon Medical School Vol. 70; no. 6; p. 596
Main Authors 山賀節子, 西島美輝子, 越谷美由紀, 隠岐和美, 荒木久美, 荒井誠一, 渡部紀子, 高久貴子, 新宅孝征, 松岡和彦, 渋谷哲男, 内田拓実, 宗像一雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 15.12.2003
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ISSN1345-4676

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Summary:目的:経胸壁超音波検査(TTE)は非侵襲的で, ほぼあらゆる状況で描出可能である. この方法における左室拡張能の評価には, 心尖部四腔像で測定するE/A比が広く使われている. この検査は洞調律でしか成立しない. E/A比は正常で1以上, 左室拡張能低下例で1以下となり, さらに拡張障害が進行し左房圧が上昇すると, 偽正常化パターンを呈しこの場合左室機能も含めて, 総合的な評価を求められる. 今回我々はGE社vivid7導入に伴い, TTEでTvI法を用いて求められるE/A比と心尖部四腔像から得られるE/A比との関連を検討した. 対象:TTEを施行したLV asynergyを認めない連続68例(平均年齢54歳)を心尖部四腔像においてのE/A比とTVI法によるE/A比を測定した. 結果:従来から述べられているように加齢とともに, E/A比は減少する傾向にあった. TVI法E/A比についても加齢とともに, E/A比は減少する傾向にあった. 心尖部四腔像のE/A比と平均TVIE/A比は相関が認められた. Lateral E/A比とSeptal E/A比の相関は, 良好であったが, Lateral E/A比は, Septal E/A比に比べ高値を示した. 考察:今回の検討から, 従来のE/A比とTVI法E/A比の良好な相関を示したが, TVI法でのデータ処理に関しては, 問題点を残した. また, 二法による値が乖離した例は, 更なる検討を必要とした. 今後, TVI法を壁運動の可視的評価から客観的な評価として, 検査に役立てたい.
ISSN:1345-4676