中年女子従業員の近点距離と疲労感について

某機械器具製造業事業所では女子従業員の主力は40歳代であり, 今後も平均年齢が毎年ほぼ1歳づつ上昇することが予想される. 加齢に伴う老眼化に適切に対処することは, 生産性の維持のみならず本人の健康状態や生活の質の維持に重要であることから, 基礎データを得る目的で定期健診時に近点距離の測定および自覚症状に関する調査を行った. 対象者は製造に直接携わる40歳以上の女子従業員285名であり, コンタクトレンズ装着者やデータが得られなかった者を除く247名について検討した. 近点距離の平均値は40歳での16.0 cmから50歳以上での31.3 cmと年齢と共に延長していた. 低視力群では正視力群に比べ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in産業衛生学雑誌 Vol. 43; no. 6; p. 224
Main Authors 加藤清司, 今福裕司, 佐藤美恵, 加藤和子, 山屋佐智子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.11.2001
Online AccessGet full text
ISSN1341-0725

Cover

More Information
Summary:某機械器具製造業事業所では女子従業員の主力は40歳代であり, 今後も平均年齢が毎年ほぼ1歳づつ上昇することが予想される. 加齢に伴う老眼化に適切に対処することは, 生産性の維持のみならず本人の健康状態や生活の質の維持に重要であることから, 基礎データを得る目的で定期健診時に近点距離の測定および自覚症状に関する調査を行った. 対象者は製造に直接携わる40歳以上の女子従業員285名であり, コンタクトレンズ装着者やデータが得られなかった者を除く247名について検討した. 近点距離の平均値は40歳での16.0 cmから50歳以上での31.3 cmと年齢と共に延長していた. 低視力群では正視力群に比べ近点距離は短かった. 頭痛, 肩こり, 日の疲れといった項目を含め, 近点距離の延長や視力と関連を認めた自覚症状はなかった. 視作業距離は測定しなかったが, 近点距離に比べ十分余裕をもった距離で作業が行われていることがうかがわれた.
ISSN:1341-0725