新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) に対するECMO管理

「要旨」2020年2月より日本国内で蔓延した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対して, 日本体外循環技術医学会学術委員会では, 体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation:ECMO)による治療に関する論文, 感染症対策, ECMO管理の実際についてホームページ上で4回発信した. 各施設において, 感染症の全容が解明されていない時期では, 患者環境の整備, 消毒・清掃の手順, ECMO管理方法と感染管理について各施設の具体的な取り組みを掲載した. COVID-19に対するRespiratory ECMOでは灌流期間が長期化するものの, 管...

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Published in体外循環技術 Vol. 47; no. 3; pp. 230 - 238
Main Authors 日本体外循環技術医学会 学術委員会 補助循環部会, 東條圭一, 安野誠, 宮本聡史, 鈴木健一, 後藤武, 前中則武, 野田政宏, 荒木康幸, 百瀬直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体外循環技術医学会 01.10.2020
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ISSN0912-2664

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Summary:「要旨」2020年2月より日本国内で蔓延した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対して, 日本体外循環技術医学会学術委員会では, 体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation:ECMO)による治療に関する論文, 感染症対策, ECMO管理の実際についてホームページ上で4回発信した. 各施設において, 感染症の全容が解明されていない時期では, 患者環境の整備, 消毒・清掃の手順, ECMO管理方法と感染管理について各施設の具体的な取り組みを掲載した. COVID-19に対するRespiratory ECMOでは灌流期間が長期化するものの, 管理方法や離脱方法については通常の急性呼吸促迫症候群(acute respiratory distress syndrome:ARDS)に準ずる方法で対応が可能であった. 感染管理についてはECMOを導入するカテーテル検査室から院内の移動経路の確認, CT室, 病室における感染対策を日頃から行い, 患者受け入れ時を想定したシミュレーションが重要であった. 今回の報告は, Respiratory ECMO症例の経験の少ない施設に対して有効な情報をタイムリーに発信できたと考える. また, 今後発生する未知の感染症に対する体外循環への参考になることを期待する.
ISSN:0912-2664