遠心ポンプの高さが補助流量に与える影響

「要旨」体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation:ECMO)施行中, 遠心ポンプが緊急停止した場合を想定し, 回路内に気泡が混入するのを予防するため, 人工肺や遠心ポンプは患者の高さより低い位置に設置されていることが多い. 今回, オーバーフロー型モック回路を模擬患者とし, 遠心ポンプを設置する高さが流量に与える影響について実験を行った. 模擬患者であるオーバーフロー型モック回路を基準とし, その高さから遠心ポンプ設置の高さを+30cm, 0cm, -30cm, -60cm, -90cmと変化させた場合の流量と回路内圧を測定した. 追加実験として...

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Published in体外循環技術 Vol. 44; no. 2; pp. 127 - 130
Main Authors 小笠原順子, 後藤武, 大湊千夏子, 霜野朱里, 花田慶乃, 大平朋幸, 加藤隆太郎, 冨田瑛一, 紺野幸哉, 山本圭吾, 福田幾夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体外循環技術医学会 01.06.2017
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ISSN0912-2664

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Summary:「要旨」体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation:ECMO)施行中, 遠心ポンプが緊急停止した場合を想定し, 回路内に気泡が混入するのを予防するため, 人工肺や遠心ポンプは患者の高さより低い位置に設置されていることが多い. 今回, オーバーフロー型モック回路を模擬患者とし, 遠心ポンプを設置する高さが流量に与える影響について実験を行った. 模擬患者であるオーバーフロー型モック回路を基準とし, その高さから遠心ポンプ設置の高さを+30cm, 0cm, -30cm, -60cm, -90cmと変化させた場合の流量と回路内圧を測定した. 追加実験として脱血回路を大口径, 短回路と条件を変更した回路で同実験を行い比較検討した. 結果はすべての回路において遠心ポンプ設置の高さを変化させても, 閉鎖回路であるECMOではサイフォンの原理が成立しないため流量は変化しなかった. また, 回路内圧は落差圧が遠心ポンプの前後に等しくかかるため, 脱血回路を大口径, 短回路と変更しても脱血圧, 送血圧, 遠心ポンプ前後の圧較差に変化は認めなかった.
ISSN:0912-2664