坐骨部褥瘡から発症したフルニエ壊疽の1例

「抄録」フルニエ壊疽は外陰部を中心に発症し, 急速に進行する壊死性筋膜炎と定義される. 早期の診断を行い, 外科的デブリードマン, 適切な抗菌薬の投与をはじめとした全身の集学的管理を要す, 生命予後の不良な疾患である. 症例は50歳代男性, 脊髄腫瘍切除後であり胸部以下の感覚障害, 対麻痺がある. 2カ月前から左坐骨部褥瘡を認めていたが未治療であった. 2日前からの意識障害を主訴に前医を受診し, CTにて褥瘡周囲の皮下に広範囲なガス貯留像を認めたため, 当院に救急搬送された. 外科的デブリードマンと抗生剤投与を行い, 感染は消退したが, その後, 臀部から肛門周囲に広範囲に組織欠損創が残ったた...

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Published in川崎医学会誌 Vol. 44; no. 2; pp. 129 - 135
Main Authors 赤松誠之, 寺本未織, 山本康弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 川崎医学会 01.12.2018
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ISSN0386-5924

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Summary:「抄録」フルニエ壊疽は外陰部を中心に発症し, 急速に進行する壊死性筋膜炎と定義される. 早期の診断を行い, 外科的デブリードマン, 適切な抗菌薬の投与をはじめとした全身の集学的管理を要す, 生命予後の不良な疾患である. 症例は50歳代男性, 脊髄腫瘍切除後であり胸部以下の感覚障害, 対麻痺がある. 2カ月前から左坐骨部褥瘡を認めていたが未治療であった. 2日前からの意識障害を主訴に前医を受診し, CTにて褥瘡周囲の皮下に広範囲なガス貯留像を認めたため, 当院に救急搬送された. 外科的デブリードマンと抗生剤投与を行い, 感染は消退したが, その後, 臀部から肛門周囲に広範囲に組織欠損創が残ったため, 薄筋皮弁での再建手術を行った. 良好な経過を得たため経過に考察を加え報告する.
ISSN:0386-5924