当院で検出された不規則抗体について

目的:輸血の副作用を未然に防ぎ, 交叉試験を遅滞なく行うため1982年4月から不規則抗体のスクリーニングを開始したので9月までの半年間の結果を報告する. 方法:食塩水法, アルブミン法, 間接クームス法, 同定にはORTHO社Panel Cellを使用. 結果:6ヵ月間に892名の検索を行い24件(2.69%)の不規則抗体を検出した. 抗体の同定し得たものは14例(1.57%)で, 末同定が10例(1.12%)であった. 同定抗体は抗D1, E1, e1, Le^a 3, M1, P_1 6, P_1 +E1であった. 術式別では生食法で8例(低温4, 室温4), アルブミン法で2例, クーム...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 29; no. 3; p. 320
Main Authors 山本保子, 河野澄枝, 上田尚紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.07.1983
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ISSN0546-1448

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Summary:目的:輸血の副作用を未然に防ぎ, 交叉試験を遅滞なく行うため1982年4月から不規則抗体のスクリーニングを開始したので9月までの半年間の結果を報告する. 方法:食塩水法, アルブミン法, 間接クームス法, 同定にはORTHO社Panel Cellを使用. 結果:6ヵ月間に892名の検索を行い24件(2.69%)の不規則抗体を検出した. 抗体の同定し得たものは14例(1.57%)で, 末同定が10例(1.12%)であった. 同定抗体は抗D1, E1, e1, Le^a 3, M1, P_1 6, P_1 +E1であった. 術式別では生食法で8例(低温4, 室温4), アルブミン法で2例, クームス法で5例であった. 輸血歴のあったもの9例, なかったもの6例(P_1 3, Le^a 2, M1)であった. 輸血既往のなかったP_1 は自然抗体, Le^1 , Mは妊娠による抗体産生と考えられた.
ISSN:0546-1448