膝関節複合靭帯損傷に対して治療を行った1例

「症例」39歳男性, 2006年8月, 2トンの鉄鋼が両下腿前方に衝突し受傷. 右膝は脛骨高原骨折, 左膝はACL, PCL, MCLの複合靭帯損傷を伴っていた. 左膝に対して受傷後10日目に初回手術を行い左膝MCLとPCLの修復を行った. PCLは大腿骨付着部(Peel off)損傷であり関節鏡視下にpanalok loop 1本使用して修復を行った. MCLはアンカーを大腿骨内顆のMCL着部に打ち込み縫縮を行った. 後療法はACL装具を装着し, 両下肢免荷とし術後4週で両下肢1/3荷重, 術後8週で全荷重可能となった. 受傷後2ヶ月後に二期的にACLの再建術を行った. 初回手術後4ヶ月で膝...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 56; no. 4; pp. 680 - 681
Main Authors 松本英彦, 内田宗志, 山口智則, 森寺邦晃, 大西英生, 田中信哉, 中村利孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2007
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ISSN0037-1033

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Summary:「症例」39歳男性, 2006年8月, 2トンの鉄鋼が両下腿前方に衝突し受傷. 右膝は脛骨高原骨折, 左膝はACL, PCL, MCLの複合靭帯損傷を伴っていた. 左膝に対して受傷後10日目に初回手術を行い左膝MCLとPCLの修復を行った. PCLは大腿骨付着部(Peel off)損傷であり関節鏡視下にpanalok loop 1本使用して修復を行った. MCLはアンカーを大腿骨内顆のMCL着部に打ち込み縫縮を行った. 後療法はACL装具を装着し, 両下肢免荷とし術後4週で両下肢1/3荷重, 術後8週で全荷重可能となった. 受傷後2ヶ月後に二期的にACLの再建術を行った. 初回手術後4ヶ月で膝の不安定性なく, Lysholm score 96点と経過は良好である. 「結論」初回手術で鏡視下PCL, MCL修復術を行い, 二期的にACL再建術を施行し短期ではあるが良好な安定性がえられた.
ISSN:0037-1033