足底筋の部位別組織化学的特徴と後肢懸垂の影響
「目的」筋線維組成は同一筋においても, 表層部, 深層部において異なることが知られている. 今回, 筋線維組成の部位差を長軸方向の異なる3部位(近位, 中間位, 遠位)において比較した. さらに, 各部位での筋線維組成や筋線維サイズに対する後肢懸垂の影響についても併せて検討した. 「方法」実験には, 成熟した220~250gのF344系雌性ラット15匹を用いた. そのラットを, 対照群, 後肢懸垂群に分け, 後肢懸垂群をさらに1週群, 3週群に分けた. すべてのラットの右側下肢より足底筋(PLA)を摘出し, 湿重量の計測および組織化学的分析を行った. 組織化学的分析は近位, 中間位, 遠位(そ...
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| Published in | リハビリテーション医学 Vol. 35; no. 11; pp. 819 - 820 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本リハビリテーション医学会
18.11.1998
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| ISSN | 0034-351X |
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| Summary: | 「目的」筋線維組成は同一筋においても, 表層部, 深層部において異なることが知られている. 今回, 筋線維組成の部位差を長軸方向の異なる3部位(近位, 中間位, 遠位)において比較した. さらに, 各部位での筋線維組成や筋線維サイズに対する後肢懸垂の影響についても併せて検討した. 「方法」実験には, 成熟した220~250gのF344系雌性ラット15匹を用いた. そのラットを, 対照群, 後肢懸垂群に分け, 後肢懸垂群をさらに1週群, 3週群に分けた. すべてのラットの右側下肢より足底筋(PLA)を摘出し, 湿重量の計測および組織化学的分析を行った. 組織化学的分析は近位, 中間位, 遠位(それぞれPLAの長軸方向の近位端より1/10,5/10,9/10)において連続横断切片を作成し, ATPase染色(pH4.3,4.55,10.4)を施した. 得られた標本から, 筋線維をType I,IIC,IIA,IIBに分類し, 各部位におけるタイプ別の本数比, 断面積(中間位)を算出した. 「結果」PLAでは, 近・遠位に比較して, 中間位でType I ,IIA線維比率が高く, Type IIB線維比率が低かった. 後肢懸垂が筋線維組成に及ぼす影響はなかった. 後肢懸垂による筋線維の萎縮は, Type I,IIA線維は0~3週にかけて漸次減少を認めたが, Type IIB線維は0~1週で著明な減少を示し1~3週でその減少率が緩徐になり, 筋線維タイプにより萎縮の経過が異なることが示された. |
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| ISSN: | 0034-351X |