問題飲酒者の男女差に関する研究

久里浜式アルコール症スクリーニングテスト(KAST)で2.0点以上の重篤問題飲酒を示した労働者の男女差について検討した. 〔対象と方法〕対象は総合商社などに勤務している労働者である. 調査は自記式・匿名とした. 〔結果〕1)回収率:有効回収率は80.9%(1,610名)である. 内訳は男性548名, 女性1,060名, 不明2名である. 「酒が好き」と答えたのは, 男性332名, 女性239名である. 2)重篤問題飲酒者数とγ-GTP異常値者:重篤問題飲酒者数は男性46名, 女性4名であった. このうちγ-GTP異常値を示したのは男性15名, 女性0名であった. 3)重篤問題飲酒者とTMI:T...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 41; no. 6; pp. 221 - 222
Main Authors 馬目太永, 本田教一, 神山峰由, 金子義宏, 相崎雄二, 田中正敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.11.1999
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ISSN1341-0725

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Summary:久里浜式アルコール症スクリーニングテスト(KAST)で2.0点以上の重篤問題飲酒を示した労働者の男女差について検討した. 〔対象と方法〕対象は総合商社などに勤務している労働者である. 調査は自記式・匿名とした. 〔結果〕1)回収率:有効回収率は80.9%(1,610名)である. 内訳は男性548名, 女性1,060名, 不明2名である. 「酒が好き」と答えたのは, 男性332名, 女性239名である. 2)重篤問題飲酒者数とγ-GTP異常値者:重篤問題飲酒者数は男性46名, 女性4名であった. このうちγ-GTP異常値を示したのは男性15名, 女性0名であった. 3)重篤問題飲酒者とTMI:TMIで心身の症状が多彩なIV群は, 男性12名であり女性3名であった. 4)飲酒状況調査:女性では自宅で, かつ一人で飲む傾向がみられた. 飲酒理由では, 「ストレス解消」と答えたのは男性11名, 女性2名であり, 「習慣」と答えたのは男性28名, 女性2名であった. 〔まとめ〕重篤問題飲酒を示した労働者の心身の状況や飲酒状況に男女差が認められた.
ISSN:1341-0725