ハムストリングス肉離れ -筋力, 筋収縮の視点から

【はじめに】肉離れの要因として, Agreによると(1)ハムストリングスの柔軟性の欠如, 筋力や筋持久力の低下, (3)左右の筋力の違い, (4)大腿四頭筋 ハムストリングスの筋力のアンバランス, などを挙げている. そこで今回, 二関節筋であるハムストリングスの筋力, 筋収縮様式に着目し, 考察したのでここに報告する. 【対象】対象は平成13年9月17日から平成14年8月21日にスポーツ活動(サッカー3名, ラグビー2名, 野球2名, バスケット2名, 陸上3名)によりハムストリングスの肉離れを発症した外来患者12名(平均年齢19±11.9歳). 【方法】(1)問診により発症状況の把握 (2...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 52; no. 4; p. 937
Main Authors 首藤力哉, 高原信二, 高橋直子, 池田幸弘, 平川信洋, 可徳三博, 鶴田敏幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2003
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ISSN0037-1033

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Summary:【はじめに】肉離れの要因として, Agreによると(1)ハムストリングスの柔軟性の欠如, 筋力や筋持久力の低下, (3)左右の筋力の違い, (4)大腿四頭筋 ハムストリングスの筋力のアンバランス, などを挙げている. そこで今回, 二関節筋であるハムストリングスの筋力, 筋収縮様式に着目し, 考察したのでここに報告する. 【対象】対象は平成13年9月17日から平成14年8月21日にスポーツ活動(サッカー3名, ラグビー2名, 野球2名, バスケット2名, 陸上3名)によりハムストリングスの肉離れを発症した外来患者12名(平均年齢19±11.9歳). 【方法】(1)問診により発症状況の把握 (2)SLR HBDと肉離れの重症度との相関関係 (3)Cybexによる健側下肢膝伸展 屈曲筋力測定 【結果】(1)発症状況は立脚相後半に最も多くみられた. (2)SLR HBDと肉離れの重症度との相関関係は認められなかった. (P=ns) (3)Cybexにおいて角速度60°時には2名を除き筋力比が保たれているが, 角速度180°時には1名を除き筋力比が保たれていないという高い値を示した. 【考察】(1)筋のTightnessと肉離れに相関が認められ無かった. (2)ハムストリングス肉離れは繰り返し行われる素早い動作の中で, 特に立脚相後半の同時収縮によるストレスや筋力比の不均衡のために発生するものと考える.
ISSN:0037-1033