某事業所従業員の運動習慣別栄養摂取状況と血清成分値の比較
[目的] 運動習慣の有無による栄養摂取状況や血清脂質成分量, 肝機能検査値などの相違について断面調査した成績を報告する. [対象及び方法] 対象者は1991年と1992年の総合健康診断を受診した19~65歳の男性従業員で, 1991年は2,855名, 1992年は2,867名であった. 栄養調査項目は, 穀類, いも類, 砂糖類, 果実類, 油脂類, 魚介類, 肉類, 卵類, 豆製品, 乳製品, 野菜類, 食塩などとし, その摂取量をアンケート用紙を用いて調査し, 「糖尿病治療のための食品交換表第4版日本糖尿病学会編」に従い, エネルギー, 蛋白質, 脂質, 糖質量を換算した. 運動習慣は1:...
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| Published in | 産業衛生学雑誌 Vol. 38; no. 1; p. 47 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本産業衛生学会
20.01.1996
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| ISSN | 1341-0725 |
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| Summary: | [目的] 運動習慣の有無による栄養摂取状況や血清脂質成分量, 肝機能検査値などの相違について断面調査した成績を報告する. [対象及び方法] 対象者は1991年と1992年の総合健康診断を受診した19~65歳の男性従業員で, 1991年は2,855名, 1992年は2,867名であった. 栄養調査項目は, 穀類, いも類, 砂糖類, 果実類, 油脂類, 魚介類, 肉類, 卵類, 豆製品, 乳製品, 野菜類, 食塩などとし, その摂取量をアンケート用紙を用いて調査し, 「糖尿病治療のための食品交換表第4版日本糖尿病学会編」に従い, エネルギー, 蛋白質, 脂質, 糖質量を換算した. 運動習慣は1:ほとんどしていない, 2:週1~2回程度, 3:週3回以上に分けて自記式で調査した. 各血清成分値は自動分析機(日立736-40型)で測定した. [成績] 運動習慣の有無別に栄養摂取量を比較したところ, 運動習慣を有するものでは, 2回の調査ともにエネルギー, 栄養素の摂取量が多く, 食品類では果実類, 野菜類, 乳製品, 豆製品及びいも類の摂取量が多く, 逆に砂糖類の摂取量が少なかった. また, 運動習慣を有するものでは, 血清中性脂肪値及びGPT, γ-GTP値が低く, 逆にHDL-CL値が高かった. さらに, 年齢, BMI, 栄養素摂取量及び飲酒量を補正した重回帰分析で運動習慣と血清成分量との関連性について検討したところ, 運動習慣の有無は, 血清総コレステロール値, 血糖値, 尿酸値などとは関連がみられなかったが, 血清中性脂肪値及びGPT, γ-GTP値と負相関し, HDL-CL値と正相関する成績が得られた. |
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| ISSN: | 1341-0725 |