サルコイドーシス治療に関する見解-2003

『サルコイドーシス治療に関する見解-2003』は日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会が中心となりつつ, 全身諸臓器が関連するというこの疾患の特徴を踏まえて関連諸学会と厚生省びまん性肺疾患調査研究班が連携して作成したものである. この文書が「ガイドライン」と言う言葉を使用しなかった理由として, この疾患が原因不明であること, 一般に自覚症状に乏しく発病の推定が困難であること, 自然治癒が高率に認められることなどより世界的にみても確立された治療方法がないことがあげられる. 例えば, 真にステロイド剤の使用が必要と考えられる重篤な肺外病変や胸部レ線分類のstageII~stageIIIの肺病変をも...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inサルコイドーシス/肉芽腫性疾患 Vol. 23; no. 1; pp. 105 - 114
Main Authors 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会, 日本呼吸器学会, 日本心臓病学会, 日本眼科学会, 厚生省科学研究-特定疾患対策事業-びまん性肺疾患研究班
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会 07.11.2003
Online AccessGet full text
ISSN1345-0565

Cover

More Information
Summary:『サルコイドーシス治療に関する見解-2003』は日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会が中心となりつつ, 全身諸臓器が関連するというこの疾患の特徴を踏まえて関連諸学会と厚生省びまん性肺疾患調査研究班が連携して作成したものである. この文書が「ガイドライン」と言う言葉を使用しなかった理由として, この疾患が原因不明であること, 一般に自覚症状に乏しく発病の推定が困難であること, 自然治癒が高率に認められることなどより世界的にみても確立された治療方法がないことがあげられる. 例えば, 真にステロイド剤の使用が必要と考えられる重篤な肺外病変や胸部レ線分類のstageII~stageIIIの肺病変をもつ症例においても, 個々の症例を解析するとその臨床症状, 検査結果や重症度が一定の尺度では明確に分類することが難しく, 十分な観察期間をおいてステロイド治療の適応を判定しなくてはならない症例などが含まれてくる. 国内外の治療に関する報告をみても, 治療適応に関する限り多くの関係者が認める適応の決定基準は見出されていない.
ISSN:1345-0565