子宮筋層内をびまん性に浸潤し,診断に苦慮した子宮頸癌の1例
症例は53歳, 4回経妊, 4回経産. 平成14年11月27日, 下腹部痛を主訴に近医受診. 子宮筋腫を指摘され同日当科紹介となった. 初診時, 子宮は超小児頭大にび慢性に腫大, 子宮頸管内細胞診はclass II, 子宮内膜細胞診はclass IIであった. 消炎鎮痛剤投与するも症状の軽減なく, 子宮筋腫核の変性, 壊死あるいは感染を疑い入院. 消炎鎮痛剤に加え, 抗生剤も投与するも下腹部痛軽減せず, 開腹手術となった. 開腹時, 子宮は超小児頭大に腫大, 腹水は血性, 右後腹膜リンパ節に一部腫大を認めたが, 炎症に由来するものと判断し腹式単純子宮全摘術を施行した. しかし術後の病理検査では...
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Published in | Journal of Nippon Medical School Vol. 70; no. 6; p. 576 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本医科大学医学会
15.12.2003
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ISSN | 1345-4676 |
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Summary: | 症例は53歳, 4回経妊, 4回経産. 平成14年11月27日, 下腹部痛を主訴に近医受診. 子宮筋腫を指摘され同日当科紹介となった. 初診時, 子宮は超小児頭大にび慢性に腫大, 子宮頸管内細胞診はclass II, 子宮内膜細胞診はclass IIであった. 消炎鎮痛剤投与するも症状の軽減なく, 子宮筋腫核の変性, 壊死あるいは感染を疑い入院. 消炎鎮痛剤に加え, 抗生剤も投与するも下腹部痛軽減せず, 開腹手術となった. 開腹時, 子宮は超小児頭大に腫大, 腹水は血性, 右後腹膜リンパ節に一部腫大を認めたが, 炎症に由来するものと判断し腹式単純子宮全摘術を施行した. しかし術後の病理検査では, 子宮頸部を原発とし子宮筋層内をび慢性, 広範に浸潤した子宮頸部扁平上皮癌と診断した. 術後の全身検索にて肺および肝臓への転移を認め, 直ちに追加化学療法施行するも, 平成15年4月6日永眠となった. |
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ISSN: | 1345-4676 |