有痛性分裂膝蓋骨に対する保存療法

【はじめに】有痛性分裂膝蓋骨に対して, スポーツ活動を続けながらも長期的な予後に関するまとまった報告は渉猟しえた限りではみられなかった. 今回当院では保存療法による骨癒合率 スポーツ復帰率を調査したのでその内容及び結果を報告する. 【対象】有痛性分裂膝蓋骨と診断された46名(男子44名 女子2名), 53膝. 平均年齢12.9±2.2歳. SaupeのX線分類では, I型0膝 II型18膝 III型32膝 I型とIII型の合併1膝 II型とIII型の合併1膝 膝蓋骨上端1膝であった. 【理学療法】大腿四頭筋のストレッチング 内側広筋の筋力強化 大腿外側のマニュアルセラピー 足部機能訓練を実施し...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 52; no. 4; pp. 937 - 938
Main Authors 池田幸弘, 高橋直子, 首藤力哉, 高原信二, 平川信洋, 道下竜馬, 光永康二, 可徳三博, 鶴田敏幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2003
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ISSN0037-1033

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Summary:【はじめに】有痛性分裂膝蓋骨に対して, スポーツ活動を続けながらも長期的な予後に関するまとまった報告は渉猟しえた限りではみられなかった. 今回当院では保存療法による骨癒合率 スポーツ復帰率を調査したのでその内容及び結果を報告する. 【対象】有痛性分裂膝蓋骨と診断された46名(男子44名 女子2名), 53膝. 平均年齢12.9±2.2歳. SaupeのX線分類では, I型0膝 II型18膝 III型32膝 I型とIII型の合併1膝 II型とIII型の合併1膝 膝蓋骨上端1膝であった. 【理学療法】大腿四頭筋のストレッチング 内側広筋の筋力強化 大腿外側のマニュアルセラピー 足部機能訓練を実施し, さらに指導としてスポーツ活動量の制限及び膝 足の向きを一致させるニュートラルポジションの習慣づけを指導した. 物理療法としてはアイシング施行の徹底を指導した. 【装具療法】大腿部外側から中央部にパッドを当て膝蓋骨近位にかかる外側広筋付着部の張力を減少させる目的でサポーター装着を試みた. 【結果】初診時から3ヵ月間おきに定期的にX線診断をしたところtype II 7膝, type III 3膝, I型とIII型の合併1膝 II型とIII型の合併1膝 膝蓋骨上端1膝に骨癒合がみられた(平均癒合期間4.3±2.0ヵ月 H14.9.1現在). またスポーツ活動においては動作制限などはあるが対象者全員が各々の活動がおこなえている状況である.
ISSN:0037-1033