北海道大学歯学部附属病院口臭専門外来の現況

本院口臭専門外来は, 開設して2年経過した. その間の受診者は計213人であり, どの世代でも男性より女性が多かった. 受診者の現住所は札幌市内が67%, 札幌市以外の北海道内が32%であった. 官能試験による結果では, 約90%の受診者が生理的口臭の範囲内であり, ハリメーターによる測定でも, 約90%の受診者がCut off point以下であった. 診査時に客観的な口臭が認められる場合は, その原因を追及し, それを指導や処置により除去することで一定の治療効果が得られた. また, 客観的な口臭が認められない場合であっても, 口臭の原因となりうる要因があると推定される場合は対応可能であった...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 53; no. 2; p. 159
Main Authors 清田茂裕, 兼平孝, 竹原順次, 高橋大郎, 本多丘人, 森田学
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔衛生学会 30.04.2003
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ISSN0023-2831

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Summary:本院口臭専門外来は, 開設して2年経過した. その間の受診者は計213人であり, どの世代でも男性より女性が多かった. 受診者の現住所は札幌市内が67%, 札幌市以外の北海道内が32%であった. 官能試験による結果では, 約90%の受診者が生理的口臭の範囲内であり, ハリメーターによる測定でも, 約90%の受診者がCut off point以下であった. 診査時に客観的な口臭が認められる場合は, その原因を追及し, それを指導や処置により除去することで一定の治療効果が得られた. また, 客観的な口臭が認められない場合であっても, 口臭の原因となりうる要因があると推定される場合は対応可能であった. しかし, 客観的な口臭の有無にかかわらず, 原因を特定できない場合や精神的要因が強いと推定される場合は対応に苦慮している. 特に精神的要因が強いと推定される自臭症の受診者の場合は, 精神科医とのリエゾン診療が必要な場合もあり, その確立は今後の課題である.
ISSN:0023-2831