当院における輸血部の現状と輸血部連絡会議の役割

PL法か契機となり当院では輸血部運営会議とは別に, 平成7年6月より輸血部連絡会議をはじめた. 輸血部には医師1名と技師3名が勤務し輸血業務を行っている. 平成元年から医師が配属になり, 輸血療法の適正化に関するガイドラインにそって輸血用血液の適正化につとめてきた. この会は輸血療法委員会と同様な役割のもとに発足したものである. 2年半の会議の成果と問題点について検討した. 【方法】輸血部連絡会議では各科の血液製剤の使用状況, 未使用状況, 未使用血費用各科負担分について報告を行っている. 自己血輸血状況, T&S, 放射線照射状況, インフオームド. コンセントの開始と承諾書の徹底,...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 44; no. 2; p. 196
Main Authors 和田恵美子, 高野恭子, 小坂邦子, 鈴木義一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.04.1998
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ISSN0546-1448

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Summary:PL法か契機となり当院では輸血部運営会議とは別に, 平成7年6月より輸血部連絡会議をはじめた. 輸血部には医師1名と技師3名が勤務し輸血業務を行っている. 平成元年から医師が配属になり, 輸血療法の適正化に関するガイドラインにそって輸血用血液の適正化につとめてきた. この会は輸血療法委員会と同様な役割のもとに発足したものである. 2年半の会議の成果と問題点について検討した. 【方法】輸血部連絡会議では各科の血液製剤の使用状況, 未使用状況, 未使用血費用各科負担分について報告を行っている. 自己血輸血状況, T&S, 放射線照射状況, インフオームド. コンセントの開始と承諾書の徹底, 日赤の輸血情報の紹介および配布, 副作用報告, 大量使用症例の状況把握, その他の輸血業務に関するあらゆる事柄について随時報告および討議を行っている. 【結果】血液製剤使用状況については成果をあげており院内全体の使用量が減少してきている. しかしFFPの使用状況など科によって問題もある. T&Sは婦人科の子宮筋腫の手術すべてに, 外科の1部, 観血的な検査-心臓カテーテル検査や腎生検なとは, 準備血がなくなった. 放射線照射は緊急手術や特殊な場合を除き全例行っている. インフオームド. コンセントを徹底し, 承諾書の完成度のチェックと同時に完璧さを要求している. また不十分である. 自己血輸血は心臓血管外科で最も行われ, 整形外科がかなり定着してきた. これらの院内の輸血の管理に関してはこの会議は重要な役割をもっている. 社会の輸血への関心の高まりと共に院内の医療従事者にも意識が深まってきたように思われる.
ISSN:0546-1448