レーザーの誤照射により黄斑部に傷害をきたした4例
【目的】 近年レーザーの誤照射により網膜障害をきたした症例の報告が散見される. 今回は我々が最近経験した4症例につき報告する. 【症例】 4症例全てがレーザー開発研究に関わる大学や研究所の男性の学生や研究員である. 症例1は31歳で実験中にチタンサファイヤーレーザーが左眼に誤入射した. 左眼黄斑部に白色凝固斑が認められたが, わずかに中心窩からずれており, 約6ヶ月後中心暗点は残存しているものの, 視力は0.8と比較的良好である. 症例2は31歳で実験中にOPOレーザーが右目に誤照射した. 初診時0.8だった視力は徐々に低下し, 約1ヶ月後には0.2となり照射部位に黄斑円孔が認められるようにな...
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Published in | 日本レーザー医学会誌 Vol. 22; no. 3; p. 117 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本レーザー医学会
28.09.2001
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ISSN | 0288-6200 |
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Summary: | 【目的】 近年レーザーの誤照射により網膜障害をきたした症例の報告が散見される. 今回は我々が最近経験した4症例につき報告する. 【症例】 4症例全てがレーザー開発研究に関わる大学や研究所の男性の学生や研究員である. 症例1は31歳で実験中にチタンサファイヤーレーザーが左眼に誤入射した. 左眼黄斑部に白色凝固斑が認められたが, わずかに中心窩からずれており, 約6ヶ月後中心暗点は残存しているものの, 視力は0.8と比較的良好である. 症例2は31歳で実験中にOPOレーザーが右目に誤照射した. 初診時0.8だった視力は徐々に低下し, 約1ヶ月後には0.2となり照射部位に黄斑円孔が認められるようになった. 硝子体手術を施行したところ黄斑円孔は閉鎖したが, 視力は0.2にとどまっている. 【結論】 レーザーの誤照射の事故により視機能の低下をきたす症例をしばしば経験する. レーザー事故の予防のため, 保護眼鏡の使用や改良などの安全策が肝要であると考えられた. |
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ISSN: | 0288-6200 |