末梢血幹細胞を適切な時期に効率良く採取する方法
目的:末梢血幹細胞(PBSC)を適切な時期に効率良く採取することは重要である. 今回当院でPBSCの採取を行った症例の結果を解析し, 適切な時期に効率良く採取について検討をおこなった. 方法・結果:平成11年3月~12年5月に当院で採取を行った悪性リンパ腫23例(66回)を対象とした. 採取されたCD34陽性細胞数の一回の平均採取量を1×106/kg以上の採取良好群と1×106/kg未満の採取不良群に分け, 年齢, 性別, 白血球数, 血小板数, 及びG-CSFの投与量で比較した結果, CD34陽性細胞数のみ有意差を認めた. 2群をさらに採取3日前からのG-CSF少量投与群と大量投与群に分ける...
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          | Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 47; no. 1; pp. 42 - 43 | 
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| Main Authors | , , , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本輸血学会
    
        01.02.2001
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| ISSN | 0546-1448 | 
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| Summary: | 目的:末梢血幹細胞(PBSC)を適切な時期に効率良く採取することは重要である. 今回当院でPBSCの採取を行った症例の結果を解析し, 適切な時期に効率良く採取について検討をおこなった. 方法・結果:平成11年3月~12年5月に当院で採取を行った悪性リンパ腫23例(66回)を対象とした. 採取されたCD34陽性細胞数の一回の平均採取量を1×106/kg以上の採取良好群と1×106/kg未満の採取不良群に分け, 年齢, 性別, 白血球数, 血小板数, 及びG-CSFの投与量で比較した結果, CD34陽性細胞数のみ有意差を認めた. 2群をさらに採取3日前からのG-CSF少量投与群と大量投与群に分けると, 少量投与群における採取不良群と採取良好群でCD34陽性細胞数に有意差を認め, 年齢が若い程G-CSFが少量でより多くのCD34陽性細胞が採取可能であった. 採取良好群の少量投与群と大量投与群では, G-CSF投与量と白血球数, 年齢で有意差を認め, CD34陽性細胞数は大量投与群で多い傾向であった. 今回採取前にG-CSFによると思われる間質性肺炎を認めた症例においてCD34陽性細胞が通常の5倍近く(423%, 7×106/kg)採取された. 患者は採取前から発熱を認め, 採取前後の血中IL-8が高値を示した. また, IMIチャンネルを用いてPBSCの適切な採取時期を決定することができた症例も併せて報告する. 結語:一般的に高齢者はPBSCの採取が悪いと言われているが採取3日前よりG-CSF大量投与を行うことで, 充分量の採取が可能であり, IMIチャンネルは適切な時期により多くのPBSCを採取するための指標として有用である. 現在, 採取日程を予め火曜から3日間に設定し, 採取3日前よりG-CSFの大量投与を行い, 月曜からIMIチャンネルでモニターして採取日程の最終決定を行っている. | 
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| ISSN: | 0546-1448 |