小児上腕骨顆上骨折の治療経験

小児上腕骨顆上骨折に対し徒手整復後経皮的ピンニングにて良好な経過を得ており報告する.対象は平成3年11月より平成8年3月までの間の12例(男11例,女1例),受傷時平均年齢8才7ケ月,右側4例,左側8例,全例伸展型,開放骨折2例,合併骨折は同側前腕骨折4例,神経麻痺は5例(橈骨神経3例,正中神経1例,正中,橈骨神経1例)であった.受傷後3日以内に全身麻酔下に伏臥位にて患側上肢を専用の木製の固定台にのせ,徒手整復後経皮的ピンニングを行い3~4週間のギプス固定と抜綱の後,綱線刺入部の創閉鎖を待って肘関節の関節可動域訓練をおこなった.術後経過は関節可動域は術後3ケ月にはほぼ正常に回復し術前の神経麻痺...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 46; no. 2; p. 553
Main Authors 倉信耕爾, 河野龍之助, 山藤良史, 長尾勝人, 上山高尚
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.1997
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ISSN0037-1033

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Summary:小児上腕骨顆上骨折に対し徒手整復後経皮的ピンニングにて良好な経過を得ており報告する.対象は平成3年11月より平成8年3月までの間の12例(男11例,女1例),受傷時平均年齢8才7ケ月,右側4例,左側8例,全例伸展型,開放骨折2例,合併骨折は同側前腕骨折4例,神経麻痺は5例(橈骨神経3例,正中神経1例,正中,橈骨神経1例)であった.受傷後3日以内に全身麻酔下に伏臥位にて患側上肢を専用の木製の固定台にのせ,徒手整復後経皮的ピンニングを行い3~4週間のギプス固定と抜綱の後,綱線刺入部の創閉鎖を待って肘関節の関節可動域訓練をおこなった.術後経過は関節可動域は術後3ケ月にはほぼ正常に回復し術前の神経麻痺も回復した.この方法はピンによる感染や尺骨神経の損傷の恐れはあるものの術後の管理は比較的楽で入院期間も短く慎重に行えば有用な方法である.
ISSN:0037-1033