大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折とその周辺疾患

目的 大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折と, 大腿骨頭壊死症, 急速破壊型股関節症, 一過性大腿骨頭萎縮症との相違点および類似点について臨床病理学的に検討した. 方法 それぞれの画像所見, 病理組織像を比較検討した. 結果 大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折は, MRIにおけるT1強調像の低信号バンド像が特徴的であった. これは, 中枢側に凸の形をとることが多く, この点で骨頭壊死症と鑑別可能であった. 大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折のなかには, 急速に骨頭破壊が進み, 急速破壊型股関節症と同様の経過を辿るものがあった. また, 一過性大腿骨頭萎縮症のMRIを再検討してみると, 全例において軟骨下骨折を表すT1強調像で...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 50; no. 4; p. 1191
Main Authors 山本卓明, 宮西圭太, 中島康晴, 首藤敏秀, 神宮司誠也, 野口康男, 岩本幸英
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2001
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ISSN0037-1033

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Summary:目的 大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折と, 大腿骨頭壊死症, 急速破壊型股関節症, 一過性大腿骨頭萎縮症との相違点および類似点について臨床病理学的に検討した. 方法 それぞれの画像所見, 病理組織像を比較検討した. 結果 大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折は, MRIにおけるT1強調像の低信号バンド像が特徴的であった. これは, 中枢側に凸の形をとることが多く, この点で骨頭壊死症と鑑別可能であった. 大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折のなかには, 急速に骨頭破壊が進み, 急速破壊型股関節症と同様の経過を辿るものがあった. また, 一過性大腿骨頭萎縮症のMRIを再検討してみると, 全例において軟骨下骨折を表すT1強調像での低信号バンド像が認められた. 考察, 結論 大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折の概念に基づき, 急速破壊型股関節症や一過性大腿骨頭萎縮症の病態を再検討することは有用と考えられた.
ISSN:0037-1033