小児顎骨再建に対しLuhr(R)下顎再建プレートシステムを用いた治療経験
小児の下顎骨は成長発育期にあり, 大きさ, 形態が, 成人と大きく異なることから, 小児の下顎骨プレート再建に際しては, プレートがより薄く, またスクリューボール間の距離が短く, さらにプレートの顎角部の角度が小児の顎角部の角度に適し, 十分な強度を有するもの, さらにスクリューは強固な固定力の得られるものが必要となる. 今回われわれは, 14歳男児の下顎骨再建に上記条件を満たすと考えられるLuhr(R)下顎再建プレートシステムを用い, 術前に実体モデル上でプレートの採寸, 屈曲適合を行い, 遊離自家腸骨移植を行った症例を経験したので, その概要ならびに小児顎骨再建に対する本プレートシステム...
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| Published in | 小児口腔外科 Vol. 8; no. 1; p. 63 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本小児口腔外科学会
25.06.1998
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| ISSN | 0917-5261 |
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| Summary: | 小児の下顎骨は成長発育期にあり, 大きさ, 形態が, 成人と大きく異なることから, 小児の下顎骨プレート再建に際しては, プレートがより薄く, またスクリューボール間の距離が短く, さらにプレートの顎角部の角度が小児の顎角部の角度に適し, 十分な強度を有するもの, さらにスクリューは強固な固定力の得られるものが必要となる. 今回われわれは, 14歳男児の下顎骨再建に上記条件を満たすと考えられるLuhr(R)下顎再建プレートシステムを用い, 術前に実体モデル上でプレートの採寸, 屈曲適合を行い, 遊離自家腸骨移植を行った症例を経験したので, その概要ならびに小児顎骨再建に対する本プレートシステムの有用性について若干の検討を加え報告した. Luhr(R)下顎再建プレートシステムは, 主に現在市販されている再建プレートの中では, プレート厚さが1.5mmと薄く, 3つのスクリューボール間距離が12.6mmと比較的短く, かつバイタリウム(R)製で強度に優れ, 圧迫接合も可能なことから, より強固な固定も可能である. しかし, 術中に小児顎骨に適したプレート長に簡便にプレート切断出来る器具は, 1996年時点では他の再建プレートシステムと同様に本システムには含まれていなかったことから, 治験例では, 術中操作を簡便にする目的から, 本システムの使用に際し, 小児の下顎骨にあった適当な長さ・適合性を得るために, 術前にポリウレタン製の実体モデル(エンドプラン(R))を作成し, このモデル上でプレートの適合, 採寸を行った. 臨床経過は概ね満足のいく結果が得られ, Luhr(R)下顎骨再建プレートシステムはプレート・スクリュー固定時の厚さが薄く, スクリューボール間距離が短く, かつ十分な強度と強固な固定力が得られることから, 小児顎骨再建に対して有用な再建プレートシステムの一つと考えられた. |
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| ISSN: | 0917-5261 |