超音波健診で発見された肝内門脈左枝臍部欠損の1例

41歳男性の肝内門脈左枝臍部欠損の1例を報告した. 超音波健診にて肝内に異常血管を指摘され, 精査のため宮城県立がんセンターに紹介となった. 肝内門脈右前区域枝から太い異常血管が分岐し, 内側区域を水平に貫いて外側区域まで連続しており, 最終的には外側区域に分布する3本の枝に分岐していた. この分岐部付近の矢状断で肝円靱帯がほぼ正常の位置に描出された. パワードプラエコーでは右前区枝から外側区域方向へ向かう定常流が認められた. CTおよび三次元CTでも同様の所見が確認され, 肝腫瘍や門脈内血栓などの器質的疾患は認められないことから先天的な欠損と考えられた....

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Published in肝臓 Vol. 41; no. 4; pp. 271 - 274
Main Authors 小野寺, 博義, 鵜飼, 克明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 25.04.2000
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.41.271

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Summary:41歳男性の肝内門脈左枝臍部欠損の1例を報告した. 超音波健診にて肝内に異常血管を指摘され, 精査のため宮城県立がんセンターに紹介となった. 肝内門脈右前区域枝から太い異常血管が分岐し, 内側区域を水平に貫いて外側区域まで連続しており, 最終的には外側区域に分布する3本の枝に分岐していた. この分岐部付近の矢状断で肝円靱帯がほぼ正常の位置に描出された. パワードプラエコーでは右前区枝から外側区域方向へ向かう定常流が認められた. CTおよび三次元CTでも同様の所見が確認され, 肝腫瘍や門脈内血栓などの器質的疾患は認められないことから先天的な欠損と考えられた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.41.271