顎変形症患者の術後の嘔気・嘔吐に関する検討
「緒言」全身麻酔手術後の嘔気・嘔吐postoperative nausea and vomiting(以下PONVと略す)は頻度の高い合併症の一つであり, 麻酔・手術における患者の苦痛の中で上位を占めている1). 顎間固定を行うことや開口制限を伴うことのある口腔領域の手術において, PONVは患者の苦痛のみならず, 気道確保を行う上で特に注意すべき問題である2,3). PONVの発現に影響する因子を分析することは, 安全で効果的な術後管理を行ううえで有用な情報を提供する. これまで, 口腔外科手術後のPONV発現に関する研究はいくつかみられるが4,5), 顎矯正手術を対象とした詳しい報告は限ら...
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| Published in | 日本顎変形症学会雑誌 Vol. 20; no. 1; pp. 1 - 7 |
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| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本顎変形症学会
15.04.2010
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| ISSN | 0916-7048 |
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| Summary: | 「緒言」全身麻酔手術後の嘔気・嘔吐postoperative nausea and vomiting(以下PONVと略す)は頻度の高い合併症の一つであり, 麻酔・手術における患者の苦痛の中で上位を占めている1). 顎間固定を行うことや開口制限を伴うことのある口腔領域の手術において, PONVは患者の苦痛のみならず, 気道確保を行う上で特に注意すべき問題である2,3). PONVの発現に影響する因子を分析することは, 安全で効果的な術後管理を行ううえで有用な情報を提供する. これまで, 口腔外科手術後のPONV発現に関する研究はいくつかみられるが4,5), 顎矯正手術を対象とした詳しい報告は限られている6). そこで今回われわれは, 顎変形症患者におけるPONVの発現に関連する因子を明らかにすることを目的に調査した. 「対象および研究方法」「1. 研究対象」対象は2001年1月から2003年12月までの間に, 北海道大学病院歯科診療センターにおいて, 全身麻酔下に顎矯正手術を施行し, 資料の整った139例で, 男性47例, 女性92例, 年齢は17歳から52歳である. |
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| ISSN: | 0916-7048 |