熊本県下におけるATLA抗体について
成人T細胞性白血病は, 1977年高月らによって提唱され, その地理的分布, 臨床症状, 腫瘍細胞の表面マーカーの特徴よりその疾患概念が確立された. そして, 1981年日沼らは三好らによって樹立されたMT-1細胞が, ATL患者血清と特異的に反応する抗原(ATLA)とウイルス粒子(ATLV)とを保有することを見い出した. 更に吉田らはC型ウイルスについて検討を加え, レトロウイルスの性格を明らかにした. ATL好発地区では健康人抗ATLA抗体保有率は高く, また健康人抗ATLA抗体保有者は, ATLV carrierである可能性が報告されている. そこで今回我々は, ATL好発地区である熊本...
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| Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 29; no. 6; pp. 684 - 686 |
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| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本輸血学会
1984
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0546-1448 |
Cover
| Summary: | 成人T細胞性白血病は, 1977年高月らによって提唱され, その地理的分布, 臨床症状, 腫瘍細胞の表面マーカーの特徴よりその疾患概念が確立された. そして, 1981年日沼らは三好らによって樹立されたMT-1細胞が, ATL患者血清と特異的に反応する抗原(ATLA)とウイルス粒子(ATLV)とを保有することを見い出した. 更に吉田らはC型ウイルスについて検討を加え, レトロウイルスの性格を明らかにした. ATL好発地区では健康人抗ATLA抗体保有率は高く, また健康人抗ATLA抗体保有者は, ATLV carrierである可能性が報告されている. そこで今回我々は, ATL好発地区である熊本県下の抗ATLA抗体保有者の分布状況を年代別, 性別, 地域別に検索した. また感染源の一つと考えられる輸血との関係及びATL患者腫瘍細胞のHLAを調査したので併せて報告する. |
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| ISSN: | 0546-1448 |