処理後凍結自己血漿(PAFFP)を用いた血漿交換療法の有用性について

血漿交換療法の進歩の中で, より撰択的な有害物質除去を目ざす場合には, それに必要なシステムは, 巨大化, 複雑化してゆぐ危険性を伴っている。この為, 有害物質除去は, 閉鎖回路より切り離して, ex vivoで強力に行う方が, 除去効率や患者に対する安全性の面でも有効な場合が多いものと思われる。我々は, 患者血漿を体外循環と切り離して処理し, 凍結, 次回の血漿交換に用いる, 処理後凍結自己血漿, Processed autologous fresh-frozen plasma-PAFFPを用いた血漿交換療法を考案, 重症D感作妊婦の2度の妊娠の際の血漿交換に応用し, 有効性を確認するととも...

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Published in人工臓器 Vol. 14; no. 1; pp. 469 - 471
Main Authors 上田, 倫子, 矢切, 良穂, 池田, 泰雅, 上田, 恭典, 山田, 紀子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.02.1985
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.14.469

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Summary:血漿交換療法の進歩の中で, より撰択的な有害物質除去を目ざす場合には, それに必要なシステムは, 巨大化, 複雑化してゆぐ危険性を伴っている。この為, 有害物質除去は, 閉鎖回路より切り離して, ex vivoで強力に行う方が, 除去効率や患者に対する安全性の面でも有効な場合が多いものと思われる。我々は, 患者血漿を体外循環と切り離して処理し, 凍結, 次回の血漿交換に用いる, 処理後凍結自己血漿, Processed autologous fresh-frozen plasma-PAFFPを用いた血漿交換療法を考案, 重症D感作妊婦の2度の妊娠の際の血漿交換に応用し, 有効性を確認するとともに, 約一ケ年間の解凍試験にて, その安全性を確認した。また我々は, PCPP (Post centrifugal plasmapheresis)やDFPPの終了時に, 回路内に残った血漿をPAFFPの形で回収し, 次回のsubstitute fluidとして使用し, 約300mlのPPFを節約している。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.14.469