急性白血病支持療法としての凍結自己血小板輸血の臨床評価

I. 目的:血小板減少症の止血には, 血小板輸血の重要性が強調されてはいるものの, random donorから採取した血小板輸血では, 輸血回数の増加とともに輸注効果が低下することが知られている. 腫瘍細胞の根絶を目標にするほど強力な化学療法をおこなう場合には, 適切な血小板輸血計画をたてることが必要である. 急性白血病では, 寛解時あるいは骨髄造血能の回復期に自己の血小板を採取・凍結保存することが可能である. したがって, 骨髄低形成時期の出血予防には, 凍結自己血小板輸血が, 急性白血病の支持療法として有効な手段になるものと考えられる. 自己血小板輸血では, 製剤に混入する白血病細胞の再...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 30; no. 5; pp. 385 - 386
Main Authors 馬場眞澄, 神田靖男, 雨宮洋一, 相沢信, 布川博永, 伊藤武善, 天木一太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.11.1984
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ISSN0546-1448

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Summary:I. 目的:血小板減少症の止血には, 血小板輸血の重要性が強調されてはいるものの, random donorから採取した血小板輸血では, 輸血回数の増加とともに輸注効果が低下することが知られている. 腫瘍細胞の根絶を目標にするほど強力な化学療法をおこなう場合には, 適切な血小板輸血計画をたてることが必要である. 急性白血病では, 寛解時あるいは骨髄造血能の回復期に自己の血小板を採取・凍結保存することが可能である. したがって, 骨髄低形成時期の出血予防には, 凍結自己血小板輸血が, 急性白血病の支持療法として有効な手段になるものと考えられる. 自己血小板輸血では, 製剤に混入する白血病細胞の再輸注が考えられるため, 白血病細胞の生着を防ぐ目的でX線照射の検討をおこなった. さらに, 凍結自己血小板を臨床応用し, 回収率および臨床効果から, これらの有用性を評価した.
ISSN:0546-1448