完全切除5ヵ月後に再発死亡した肺紡錘細胞癌の1例
症例は70歳,男性.2005年3月に血痰を認め,胸部X線写真・CTにおいて右肺下葉に4cmの腫瘤影を指摘された.右B10aからの気管支鏡下肺生検にて未分化癌の診断を得た.遠隔転移検索では異常を認めず,臨床病期IBの原発性肺癌と診断し,右下葉切除術およびリンパ節郭清術を施行した.病理組織的検索にて腫瘍はcytokeratinおよびvimentinが陽性の紡錘形腫瘍細胞が密に増殖し,紡錘細胞癌・T2N0M0 IB期と診断された.術後1ヵ月の時点で肝臓,両側副腎,膵臓,第6~7胸椎椎体,右胸膜,左肺下葉に転移再発し術後5ヵ月で死亡した.肺紡錘細胞癌は,完全切除であっても術後早期に再発死亡する可能性が...
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Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 21; no. 6; pp. 820 - 824 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
15.09.2007
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Subjects | |
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ISSN | 0919-0945 1881-4158 |
DOI | 10.2995/jacsurg.21.820 |
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Summary: | 症例は70歳,男性.2005年3月に血痰を認め,胸部X線写真・CTにおいて右肺下葉に4cmの腫瘤影を指摘された.右B10aからの気管支鏡下肺生検にて未分化癌の診断を得た.遠隔転移検索では異常を認めず,臨床病期IBの原発性肺癌と診断し,右下葉切除術およびリンパ節郭清術を施行した.病理組織的検索にて腫瘍はcytokeratinおよびvimentinが陽性の紡錘形腫瘍細胞が密に増殖し,紡錘細胞癌・T2N0M0 IB期と診断された.術後1ヵ月の時点で肝臓,両側副腎,膵臓,第6~7胸椎椎体,右胸膜,左肺下葉に転移再発し術後5ヵ月で死亡した.肺紡錘細胞癌は,完全切除であっても術後早期に再発死亡する可能性があり,厳重な経過観察が必要である. |
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ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
DOI: | 10.2995/jacsurg.21.820 |