風疹細胞性免疫の年齢依存性 ワクチン反応性との関連について

風疹ワクチン接種後, とくに成人に好発する関節炎と細胞性免疫の関係を知るため, ワクチン接種後の風疹特異的細胞性免疫の成立をin vitro Lymphocyte transformation test (LTF) で検討した. 1. 小児群ではHPV 77/DE 5ワクチン接種後約1か月で特異的LTF活性が検出され, 2か月でその最高値に達する. しかし成人群ではその出現が遅れ, かつ, 最高値は3か月に認められる. 2. 成人群におけるLTF活性は小児群の約1/3または1/4程度である. 3. これら風疹特異抗原により誘導されるLTF活性の大部分は羊赤血球と rosette を形成するリン...

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Published inウイルス Vol. 28; no. 1; pp. 25 - 30
Main Authors 中尾, 亨, 千葉, 靖男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ウイルス学会 01.06.1978
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ISSN0042-6857
1884-3433
DOI10.2222/jsv.28.25

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Summary:風疹ワクチン接種後, とくに成人に好発する関節炎と細胞性免疫の関係を知るため, ワクチン接種後の風疹特異的細胞性免疫の成立をin vitro Lymphocyte transformation test (LTF) で検討した. 1. 小児群ではHPV 77/DE 5ワクチン接種後約1か月で特異的LTF活性が検出され, 2か月でその最高値に達する. しかし成人群ではその出現が遅れ, かつ, 最高値は3か月に認められる. 2. 成人群におけるLTF活性は小児群の約1/3または1/4程度である. 3. これら風疹特異抗原により誘導されるLTF活性の大部分は羊赤血球と rosette を形成するリンパ球分画にあり, Tリンパ球がその主体をなすと考えられる. 4. 風疹HAI抗体は小児群において多少早く検出されるが, 2か月以後の平均抗体価にほとんど差はない. 5. 小児群に関節症状を呈したものはなかったが, 成人群の約23%が関節症状を呈した.
ISSN:0042-6857
1884-3433
DOI:10.2222/jsv.28.25