シェーグレン症候群患者における唾液分泌量とう蝕経験歯数との関係

「諸言」う蝕の少ない人は多い人に比べ唾液分泌量が多い傾向があること, 小児では唾液分泌量とう蝕罹患率の有意な関係があること, 口腔乾燥症患者ではう蝕罹患率が上昇すること, 抗コリン作動薬の長期服用によってう蝕が増加することなど, う蝕と唾液分泌量との関係を示す報告が以前よりなされており, これは緩衝作用, 抗菌作用, 自浄作用, 歯の再石灰化が低下するためと考えられている. その一方で, 健常人ではう蝕と唾液分泌量との間に明らかな因果関係は認められておらず, どの程度に唾液分泌量が減少するとう蝕罹患率が上昇するかについては必ずしも明らかではない. 一方, シェーグレン症候群 (Sjogren&...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in歯科薬物療法 Vol. 39; no. 1; pp. 9 - 15
Main Authors 岩渕, 絵美, 佐藤, 真理子, 石田, 孝文, 岩渕, 博史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯科薬物療法学会 2020
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0288-1012
1884-4928
DOI10.11263/jsotp.20.01

Cover

More Information
Summary:「諸言」う蝕の少ない人は多い人に比べ唾液分泌量が多い傾向があること, 小児では唾液分泌量とう蝕罹患率の有意な関係があること, 口腔乾燥症患者ではう蝕罹患率が上昇すること, 抗コリン作動薬の長期服用によってう蝕が増加することなど, う蝕と唾液分泌量との関係を示す報告が以前よりなされており, これは緩衝作用, 抗菌作用, 自浄作用, 歯の再石灰化が低下するためと考えられている. その一方で, 健常人ではう蝕と唾液分泌量との間に明らかな因果関係は認められておらず, どの程度に唾液分泌量が減少するとう蝕罹患率が上昇するかについては必ずしも明らかではない. 一方, シェーグレン症候群 (Sjogren's syndrome : 以下SSと省略) は, 主に唾液腺と涙腺に病変を生じる自己免疫疾患であり, う蝕発生率が高いことが横断的研究によって示されている.
ISSN:0288-1012
1884-4928
DOI:10.11263/jsotp.20.01