患者におけるcVEMP測定体位選択の重要性

「はじめに」前庭誘発筋電位(vestibular evoked myogenic potential:VEMP)は, 強大な音響刺激によって前庭由来の誘発筋電位を記録する検査である. 前庭頸反射としてのVEMPは, 音刺激に対する胸鎖乳突筋sternocleidomastoid muscle(以下:SCM)の活動として記録されるものであり, cVEMP(cervical VEMP)と呼ばれ, 主たる起源は球形嚢と考えられている. cVEMPの反応は抑制性の筋電位, つまり刺激に伴う筋緊張の低下であることから, 検査中はSCMの筋緊張を維持させる必要があり, 国際ガイドラインではSCMの緊張を得...

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Published inEquilibrium Research Vol. 81; no. 6; pp. 491 - 501
Main Authors 山野邉, 義晴, 和佐野, 浩一郎, 増田, 圭奈子, 松永, 達雄, 南, 修司郎, 水野, 耕平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 31.12.2022
日本めまい平衡医学会
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ISSN0385-5716
1882-577X
DOI10.3757/jser.81.491

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Summary:「はじめに」前庭誘発筋電位(vestibular evoked myogenic potential:VEMP)は, 強大な音響刺激によって前庭由来の誘発筋電位を記録する検査である. 前庭頸反射としてのVEMPは, 音刺激に対する胸鎖乳突筋sternocleidomastoid muscle(以下:SCM)の活動として記録されるものであり, cVEMP(cervical VEMP)と呼ばれ, 主たる起源は球形嚢と考えられている. cVEMPの反応は抑制性の筋電位, つまり刺激に伴う筋緊張の低下であることから, 検査中はSCMの筋緊張を維持させる必要があり, 国際ガイドラインではSCMの緊張を得るための2つの方法を紹介している. ひとつは挙上法で患者は仰臥位あるいは半坐位をとって頭部を挙上するものである. もうひとつは捻転法で患者は仰臥位もしくは座位で刺激側の対側に頭部を回転するものである.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.81.491