舌骨による機械的刺激が原因で脳梗塞再発を繰り返した頸部内頸動脈軽度狭窄症の1症例

要旨:症例は81歳女性.左前頭葉の塞栓性脳梗塞再発を繰り返し各種精査施行されるも,塞栓源不明の脳塞栓症と診断された.頸部MRAでは,内頸動脈起始部は軽微な壁不整のみであったが,後方視的に3D-CTAを見直すと,舌骨が左総頸動脈遠位部を捕捉しており,舌骨による頸動脈への機械的刺激が原因と考えられ,後日内膜剝離術を行った.MRIや頸動脈エコーのみでは舌骨による頸動脈への接触は見逃されてしまう場合があり,塞栓源不明の脳塞栓症例における原因検索として頸動脈周囲の骨構造物も注意深く観察すべきであると考える....

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Published in脳卒中 Vol. 43; no. 5; pp. 457 - 461
Main Authors 小川, 由夏, 伊藤, 健大, 本田, 和也, 原口, 渉, 副島, 航介, 川原, 一郎, 上野, 未貴, 塩崎, 絵理, 小野, 智憲, 堤, 圭介, 諸藤, 陽一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2021
日本脳卒中学会
Subjects
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.10859

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Summary:要旨:症例は81歳女性.左前頭葉の塞栓性脳梗塞再発を繰り返し各種精査施行されるも,塞栓源不明の脳塞栓症と診断された.頸部MRAでは,内頸動脈起始部は軽微な壁不整のみであったが,後方視的に3D-CTAを見直すと,舌骨が左総頸動脈遠位部を捕捉しており,舌骨による頸動脈への機械的刺激が原因と考えられ,後日内膜剝離術を行った.MRIや頸動脈エコーのみでは舌骨による頸動脈への接触は見逃されてしまう場合があり,塞栓源不明の脳塞栓症例における原因検索として頸動脈周囲の骨構造物も注意深く観察すべきであると考える.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.10859