ホタテガイ中の麻痺性貝毒およびテトロドトキシンを対象とした液体クロマトグラフィータンデム型質量分析法の妥当性評価

ホタテガイ中の麻痺性貝毒11成分の妥当性評価試験を実施し, Codexの定める検査法の性能規準を満たしているかを確認した. 加えて, 近年国内外の二枚貝中よりフグ毒テトロドトキシン(TTX)の含有が報告されていることから, 本試験の対象成分とした. Turnerらの方法に従って試験を実施し, 溶媒検量線およびマトリックス検量線(ホタテガイ)で定量を行った. 妥当性評価の結果は, 麻痺性貝毒11成分で目標値(真度, 併行精度, 室内精度)を満たしたが, TTXを溶媒検量線で定量した場合に低回収率となった. 一方で, TTXをマトリックス検量線(ホタテガイ)で定量した場合に, 回収率が改善した....

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Published in食品衛生学雑誌 Vol. 65; no. 5; pp. 129 - 136
Main Authors 沼野聡, 渡邊龍一, 小澤眞由, 内田肇, 松嶋良次, 鈴木敏之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本食品衛生学会 25.10.2024
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ISSN0015-6426
DOI10.3358/shokueishi.65.129

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Summary:ホタテガイ中の麻痺性貝毒11成分の妥当性評価試験を実施し, Codexの定める検査法の性能規準を満たしているかを確認した. 加えて, 近年国内外の二枚貝中よりフグ毒テトロドトキシン(TTX)の含有が報告されていることから, 本試験の対象成分とした. Turnerらの方法に従って試験を実施し, 溶媒検量線およびマトリックス検量線(ホタテガイ)で定量を行った. 妥当性評価の結果は, 麻痺性貝毒11成分で目標値(真度, 併行精度, 室内精度)を満たしたが, TTXを溶媒検量線で定量した場合に低回収率となった. 一方で, TTXをマトリックス検量線(ホタテガイ)で定量した場合に, 回収率が改善した. 以上の結果から, 本法はLC-MS/MSを用いた麻痺性貝毒およびTTXの分析について有用な分析法であると考えられるが, 適切な検量線の選択が必要であることが示唆された.
ISSN:0015-6426
DOI:10.3358/shokueishi.65.129