肺胞出血が再燃したGoodpasture症候群に再度免疫抑制療法,血漿交換療法を行い治療し得た1症例

Goodpasture症候群(Goodpasture's syndrome,GPS)は,抗基底膜(Glomerular basement membrane, GBM)抗体によるII型アレルギーから肺胞出血と急速進行性糸球体腎炎(Rapidly progressive glomerulonephritis, RPGN)を特徴とする疾患であり,1 寛解導入・維持療法により再燃は稀とされている.今回我々は副腎皮質ステロイド薬の内服困難からGPSが再燃,集中治療管理が必要になった症例を経験した.症例は52歳男性.肺胞出血と腎不全を呈したGPSに対し,寛解導入療法を行い一旦症状改善,維持透析中...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 69; no. 1; pp. 37 - 41
Main Authors 戸部, 賢, 松岡, 宏晃, 齋藤, 繁, 神山, 彩, 金本, 匡史, 岸田, 浩一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.02.2019
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ISSN1343-2826
1881-1191
DOI10.2974/kmj.69.37

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Summary:Goodpasture症候群(Goodpasture's syndrome,GPS)は,抗基底膜(Glomerular basement membrane, GBM)抗体によるII型アレルギーから肺胞出血と急速進行性糸球体腎炎(Rapidly progressive glomerulonephritis, RPGN)を特徴とする疾患であり,1 寛解導入・維持療法により再燃は稀とされている.今回我々は副腎皮質ステロイド薬の内服困難からGPSが再燃,集中治療管理が必要になった症例を経験した.症例は52歳男性.肺胞出血と腎不全を呈したGPSに対し,寛解導入療法を行い一旦症状改善,維持透析中であったが,副腎皮質ステロイド薬の内服困難から肺胞出血が再燃した.入院後早期に免疫抑制療法と肺胞出血に注意しながら血漿交換療法,ならびに呼吸状態の慎重な管理を行い,患者は無事独歩退院となった.寛解導入後早期の免疫抑制療法の中断により,再燃が稀とされているGPSも容易に症状再燃の可能性があることに十分注意が必要である.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.69.37