喀血に対する気管支動脈塞栓療法の検討(第25回日本気管支学会総会)
【目的】喀血症例における気管支動脈塞栓術(BAE)の有用性について検討した. 【対象】1989年から2001年8月までの間に当施設にて喀血を主訴に気管支動脈造影(BAG)を施行された19症例を対象とした. 内訳は, 気管支拡張症9例, 不明3例, 気管内異物1例, 気管支鏡下肺生検後の喀血1例, 慢性気管支炎1例, 肺結核1例, 中葉症候群1例であった. 【成績】造影所見では気管支動脈の怒張, 蛇行, pooling, 気管支動脈一肺動脈短絡などの異常所見を12例に認めた. 気管支動脈に明らかな異常を認めない症例は5例であった. また2例は気管支動脈を同定不能であった. BAG後, 保存的治療...
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| Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 24; no. 3; p. 248 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2002
日本気管支学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI | 10.18907/jjsre.24.3_248_3 |
Cover
| Summary: | 【目的】喀血症例における気管支動脈塞栓術(BAE)の有用性について検討した. 【対象】1989年から2001年8月までの間に当施設にて喀血を主訴に気管支動脈造影(BAG)を施行された19症例を対象とした. 内訳は, 気管支拡張症9例, 不明3例, 気管内異物1例, 気管支鏡下肺生検後の喀血1例, 慢性気管支炎1例, 肺結核1例, 中葉症候群1例であった. 【成績】造影所見では気管支動脈の怒張, 蛇行, pooling, 気管支動脈一肺動脈短絡などの異常所見を12例に認めた. 気管支動脈に明らかな異常を認めない症例は5例であった. また2例は気管支動脈を同定不能であった. BAG後, 保存的治療のみで止血した症例は11例であった. BAE施行例は8例で, このうち7例は良好な即時止血を得た. 6例にBAの拡張を, 1例に造影剤のpooling所見を認め, 1例は無所見であった. 再出血にて複数回の塞栓術を施行した症例は3例で, いずれも初回BAGにおいて著明な血管拡張を示し, 目標部位の塞栓に3個以上のコイルを必要とした症例であった. 再施行時には塞栓動脈の再開通を認め, これらは全例, 複数回のBAEにより止血効果を得た. BAEにて止血不成功のため手術に移行した症例は1例のみで, BAG無所見例であった. 全例でBAE後に明らかな合併症を認めなかった. 【結論】当施設では, BAGにおいて気管支動脈有所見症例には積極的に気管支動脈塞栓術を施行している. Poolingのみを有する症例において即時的止血効果が最も高く, 怒張, 蛇行, 気管支動脈-肺動脈短絡を伴う再出血症例においても複数回のBAEによりかなりの止血効果が期待できる. |
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| ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI: | 10.18907/jjsre.24.3_248_3 |