アンチセンス分子によるRANTES遺伝子発現の制御(第25回日本気管支学会総会)

目的:様々なケモカインの中でもRANTESは気道炎症時に気道上皮や免疫細胞から分泌され, 生体防御反応のなかでも重要な役割を担っている. 本実験はアンチセンス分子を用いてRANTES遺伝子発現の制御し, 将来的に呼吸器炎症疾患における治療法としての可能性を検討したものである. 方法:アンチセンス法は相補的塩基配列をもつDNAあるいはRNAがmRNAに結合し, 特異的に蛋白質合成を阻害することで目的とする薬効を得ようとするものである. 数種のアンチセンスオリゴヌクレオチドを作製し, Vitro(マウス筋繊維芽細胞)にtransfection後, RANTES発現の制御効果を検討した. 結果:各々...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 24; no. 3; p. 237
Main Authors 加藤, 治文, 河野, 貴文, 永田, 真一, 小中, 千守, 長束, 美貴, 鈴木, 明彦, 林, 博樹, 梶原, 直央, 田口, 雅彦, 林, 和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2002
日本気管支学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.24.3_237_3

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Summary:目的:様々なケモカインの中でもRANTESは気道炎症時に気道上皮や免疫細胞から分泌され, 生体防御反応のなかでも重要な役割を担っている. 本実験はアンチセンス分子を用いてRANTES遺伝子発現の制御し, 将来的に呼吸器炎症疾患における治療法としての可能性を検討したものである. 方法:アンチセンス法は相補的塩基配列をもつDNAあるいはRNAがmRNAに結合し, 特異的に蛋白質合成を阻害することで目的とする薬効を得ようとするものである. 数種のアンチセンスオリゴヌクレオチドを作製し, Vitro(マウス筋繊維芽細胞)にtransfection後, RANTES発現の制御効果を検討した. 結果:各々のアンチセンス導入後におけるRANTES発現をELISA法により測定した結果, 3'-UTRの一部から作製したprobeにより80%以上の抑制効果が認められた. 考察:Antisense法は高い可能性を秘めた遺伝子制御法であるが, 細胞, 臓器, 生体などとの関連性において不明な部分が多いのが現状である. 本実験により将来的にVivo(呼吸器疾患モデル)に投与することでRNATES発現を抑制する可能性が示唆された.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.24.3_237_3