口径差の大きな気管支吻合にtelescope吻合が有用であった2症例
呼吸機能温存を目的とした気管支形成術は広く行われている. 我々はtelescope吻合を用いて, 右S2に発生し, 中間気管支幹周囲に浸潤する肺扁平上皮癌に対し, 右肺底区域温存を行った1例と, 左S9発生で転移#11リンパ節がA4, 5に浸潤していた肺腺癌に対して上大区域温存を行った1例を報告する. 症例1:74歳男性. 検診にて胸部異常陰影を指摘され当科を受診した. CTにて右S2に5×3×3, 大の腫瘍を認め, さらに腫瘍は中間管周囲に浸潤していた. 気管支鏡検査にて扁平上皮癌と診断され, cT2N0M0 stage, Bの診断にて手術を施行した. 腫瘍はA6にも浸潤を認めたため, 右上...
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| Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 25; no. 3; p. 214 |
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| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2003
日本気管支学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI | 10.18907/jjsre.25.3_214_1 |
Cover
| Summary: | 呼吸機能温存を目的とした気管支形成術は広く行われている. 我々はtelescope吻合を用いて, 右S2に発生し, 中間気管支幹周囲に浸潤する肺扁平上皮癌に対し, 右肺底区域温存を行った1例と, 左S9発生で転移#11リンパ節がA4, 5に浸潤していた肺腺癌に対して上大区域温存を行った1例を報告する. 症例1:74歳男性. 検診にて胸部異常陰影を指摘され当科を受診した. CTにて右S2に5×3×3, 大の腫瘍を認め, さらに腫瘍は中間管周囲に浸潤していた. 気管支鏡検査にて扁平上皮癌と診断され, cT2N0M0 stage, Bの診断にて手術を施行した. 腫瘍はA6にも浸潤を認めたため, 右上中葉切除とS6区域切除を施行した. 底区域温存のため, 気管支は底幹と右主気管支をtelescope吻合にて再建し, さらに肺動脈の形成を行った. 症例2:64歳男性. 左S9原発の3. 5×2. 0×1. 2, 大の肺腺癌に対して手術を施行した. 転移#11リンパ節がA4, 5に浸潤していたため, 左下葉切除, 舌区切除を施行し, 左主気管支と上大区域気管支をtelescope吻合にて再建し, 上大区域温存を行った. 術後気管支鏡検査ではともに吻合部に狭窄を認めなかった. 本2症例のごとく, 口径差の大きな気管支吻合にtelescope吻合は有用と思われた. |
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| ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
| DOI: | 10.18907/jjsre.25.3_214_1 |