Neurofibromatosis type Iにともなう脊柱側弯症に胸髄硬膜動静脈瘻を合併した1例
Neurofibromatosis type I(NF-1)に併発した非常に稀な胸髄硬膜動静脈瘻(epidural AVF)により失血死した1例を経験したので報告する.74才男性.昼食後,外出した際に嘔吐し,救急車にて近医搬入された.来院時血圧54/30mmHg,脈拍120回とショック状態であり,約2時間経過後死亡した.剖検所見として,頂椎弯曲部に腫瘍性病変がみられ,組織学的には神経線維腫に伴う破綻したepidural AVFがみられた.NF-1にepidural AVFを合併した報告はあるが,ほとんどが頚椎レベルで脊柱側弯症(胸椎)に発生した報告はない.またNF-1の血管異常で,血胸を発症す...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 61; no. 2; pp. 277 - 279 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2012
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.61.277 |
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Summary: | Neurofibromatosis type I(NF-1)に併発した非常に稀な胸髄硬膜動静脈瘻(epidural AVF)により失血死した1例を経験したので報告する.74才男性.昼食後,外出した際に嘔吐し,救急車にて近医搬入された.来院時血圧54/30mmHg,脈拍120回とショック状態であり,約2時間経過後死亡した.剖検所見として,頂椎弯曲部に腫瘍性病変がみられ,組織学的には神経線維腫に伴う破綻したepidural AVFがみられた.NF-1にepidural AVFを合併した報告はあるが,ほとんどが頚椎レベルで脊柱側弯症(胸椎)に発生した報告はない.またNF-1の血管異常で,血胸を発症すると,致死率が高く救命が非常に困難であるとの報告がある.今回の症例でNF-1の血管異常の有無をスクリーニングする必要性を強く感じた. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.61.277 |