視神経炎のOCT

視神経炎は視神経の炎症性脱髄疾患の総称であり,炎症が視神経乳頭に波及して乳頭腫脹をきたす視神経乳頭炎と,初期には眼底に異常を認めない球後視神経炎がある.視神経は網膜神経節細胞 (retinal ganglion cell: RGC)の軸索から構成され,視神経炎によるRGCの軸索や細胞体の障害は,網膜光干渉計(OCT)の乳頭部解析や黄斑部解析において網膜厚の変化として捉えることができる.視神経炎のOCTでは,急性期には乳頭周囲網膜神経線維層(circumpapillary retinal nerve fiber layer: cpRNFL)厚が乳頭腫脹の評価に有用である.慢性期には,乳頭周囲およ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in神経眼科 Vol. 40; no. 4; pp. 314 - 319
Main Author 坂本, 麻里
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経眼科学会 25.12.2023
Online AccessGet full text
ISSN0289-7024
2188-2002
DOI10.11476/shinkeiganka.40.314

Cover

More Information
Summary:視神経炎は視神経の炎症性脱髄疾患の総称であり,炎症が視神経乳頭に波及して乳頭腫脹をきたす視神経乳頭炎と,初期には眼底に異常を認めない球後視神経炎がある.視神経は網膜神経節細胞 (retinal ganglion cell: RGC)の軸索から構成され,視神経炎によるRGCの軸索や細胞体の障害は,網膜光干渉計(OCT)の乳頭部解析や黄斑部解析において網膜厚の変化として捉えることができる.視神経炎のOCTでは,急性期には乳頭周囲網膜神経線維層(circumpapillary retinal nerve fiber layer: cpRNFL)厚が乳頭腫脹の評価に有用である.慢性期には,乳頭周囲および黄斑部の神経線維層厚や網膜内層厚が菲薄化する.cpRNFL厚に加え黄斑部のRNFL厚,神経節細胞層(ganglion cell layer: GCL)と内網状層(inner plexiform layer: IPL)を合わせたGCL+IPL厚などが病態把握や経過観察に有用である.
ISSN:0289-7024
2188-2002
DOI:10.11476/shinkeiganka.40.314