BNP,NT-proBNP研究の最前線

Brain natriuretic peptide(BNP)とN terminal(NT)-proBNPは心不全の診断,予後を推定できる有用なバイオマーカーである.しかし,BNPは循環器内科医や一般内科医にとって有用なだけではなく,将来は健診医にとっても有用なバイオマーカーと成り得ると思われる.つまり,BNPやNT-proBNPは心不全と診断できる値より低値で,将来の死亡,心疾患や脳卒中の発症を予測できることが知られてきている.したがって,人間ドックにて高血圧,糖尿病(耐糖能障害も含む),脂質異常症,喫煙などがあり,すでに将来の動脈硬化性疾患の発症リスクのある人は,BNPやNT-proBNPを...

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Published in人間ドック Vol. 31; no. 4; pp. 541 - 549
Main Author 加藤, 公則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本人間ドック学会 2016
日本人間ドック学会
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ISSN1880-1021
2186-5027
DOI10.11320/ningendock.31.541

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Summary:Brain natriuretic peptide(BNP)とN terminal(NT)-proBNPは心不全の診断,予後を推定できる有用なバイオマーカーである.しかし,BNPは循環器内科医や一般内科医にとって有用なだけではなく,将来は健診医にとっても有用なバイオマーカーと成り得ると思われる.つまり,BNPやNT-proBNPは心不全と診断できる値より低値で,将来の死亡,心疾患や脳卒中の発症を予測できることが知られてきている.したがって,人間ドックにて高血圧,糖尿病(耐糖能障害も含む),脂質異常症,喫煙などがあり,すでに将来の動脈硬化性疾患の発症リスクのある人は,BNPやNT-proBNPを測定し,もし,それが正常高値にあれば,将来の脳心疾患の発症を防ぐために,さらに厳密なリスク管理を施す必要があると思われる.さらに,BNPは糖代謝とも関連していることが最近知られてきており,将来,糖尿病医にとっても大切なバイオマーカーになる可能性もある.
ISSN:1880-1021
2186-5027
DOI:10.11320/ningendock.31.541