肺癌 内科の立場から

「はじめに」悪性新生物による死亡者数は年間37万人とわが国の死亡原因の第1位を占め, 新規罹患者数も年間約86万人にのぼる. これは日本人の2人に1人が「がん」になり, 3人に1人が「がん」で亡くなりになることを表している. 臓器別にみた死亡率は男性では肺癌が最も高く, 女性では大腸癌に次いで2番目に高くなっている. がんの原因は様々な環境因子(タバコ, 大気汚染, アスベストなど)が関係すると言われている. 特にタバコ(喫煙)は以前より肺癌との関連が指摘され, 中でも扁平上皮癌や小細胞癌は喫煙との関連が高い. 「1日の喫煙本数」と「喫煙年数」を掛け合わせたものを「喫煙指数」と言い, 喫煙指数...

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Published inJOURNAL OF THE KYORIN MEDICAL SOCIETY Vol. 51; no. 1; pp. 61 - 63
Main Author 高田, 佐織
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 杏林医学会 30.03.2020
The Kyorin Medical Society
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ISSN0368-5829
1349-886X
DOI10.11434/kyorinmed.51.61

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Summary:「はじめに」悪性新生物による死亡者数は年間37万人とわが国の死亡原因の第1位を占め, 新規罹患者数も年間約86万人にのぼる. これは日本人の2人に1人が「がん」になり, 3人に1人が「がん」で亡くなりになることを表している. 臓器別にみた死亡率は男性では肺癌が最も高く, 女性では大腸癌に次いで2番目に高くなっている. がんの原因は様々な環境因子(タバコ, 大気汚染, アスベストなど)が関係すると言われている. 特にタバコ(喫煙)は以前より肺癌との関連が指摘され, 中でも扁平上皮癌や小細胞癌は喫煙との関連が高い. 「1日の喫煙本数」と「喫煙年数」を掛け合わせたものを「喫煙指数」と言い, 喫煙指数が400以上は肺がんの危険群, 600以上は高危険群とされている. また, 喫煙は喫煙者本人だけでなく, 周囲の人にも影響を及ぼす受動喫煙の問題もある. この20年で肺癌治療は飛躍的に発展を遂げている.
ISSN:0368-5829
1349-886X
DOI:10.11434/kyorinmed.51.61