腎障害患者の歯科診療における安心・安全な薬物療法
「はじめに」歯科診療においては抗菌薬や鎮痛薬の処方が多い. また, 単純疱疹や帯状疱疹に対しては抗ヘルペスウイルス薬が処方される場合もある. このような領域の薬剤の多くが腎排泄型(肝臓などで代謝されることなく, 腎臓から直接排泄される)薬剤である. 腎排泄型薬剤を腎障害患者に対して通常用量を投与した際には, 有害事象(副作用)を生じ, 重篤な転機に至る場合もある. そのため, 腎排泄型薬剤を腎障害患者へ投与する際には, 体内でどのような現象(薬物動態や薬理作用)が起きるのかを理解することで, 有害事象を未然に回避し安心・安全な薬物療法を提供することが可能となる. 「腎障害患者とは?」腎障害の可...
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| Published in | ORAL THERAPEUTICS AND PHARMACOLOGY Vol. 38; no. 3; pp. 207 - 209 |
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| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本歯科薬物療法学会
2019
JAPANESE SOCIETY OF ORAL THERAPEUTICS AND PHARMACOLOGY |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0288-1012 1884-4928 |
| DOI | 10.11263/jsotp.20.05 |
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| Summary: | 「はじめに」歯科診療においては抗菌薬や鎮痛薬の処方が多い. また, 単純疱疹や帯状疱疹に対しては抗ヘルペスウイルス薬が処方される場合もある. このような領域の薬剤の多くが腎排泄型(肝臓などで代謝されることなく, 腎臓から直接排泄される)薬剤である. 腎排泄型薬剤を腎障害患者に対して通常用量を投与した際には, 有害事象(副作用)を生じ, 重篤な転機に至る場合もある. そのため, 腎排泄型薬剤を腎障害患者へ投与する際には, 体内でどのような現象(薬物動態や薬理作用)が起きるのかを理解することで, 有害事象を未然に回避し安心・安全な薬物療法を提供することが可能となる. 「腎障害患者とは?」腎障害の可能性を疑う病名としては, 高血圧, 糖尿病, あるいは高尿酸血症などが挙げられる. また, 患者の加療状況(透析)や診断状況(CKD(慢性腎臓病)ステージ)から腎障害患者と判断することが出来る. |
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| ISSN: | 0288-1012 1884-4928 |
| DOI: | 10.11263/jsotp.20.05 |