健康診断における中心血圧測定の意義 -基準値・保健指導目標値設定の試み
目的:動脈硬化所見の存否より中心血圧の基準値を作成し,健診での測定意義と保健指導時の目標値を考える. 方法:健診受診者で上腕血圧が正常(収縮期<130mmHgかつ拡張期<85mmHgかつ未治療)の316例について,トノメトリ法により中心血圧を測定し,胸部X線写真,ECG,眼底,頸動脈,脳MRI・MRAの動脈硬化所見よりROC解析を行い基準値を作成した.また保健指導での目標値も考察した. 結果:ROC曲線の最尤度比点より中心血圧の基準値は125mmHgであった.また収縮期血圧120mmHg以上,拡張期血圧75mmHg以上で高中心血圧例が明らかに増加した. 結論:正常血圧でも高中心血圧...
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Published in | 人間ドック Vol. 25; no. 4; pp. 633 - 637 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本人間ドック学会
2010
日本人間ドック学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1880-1021 2186-5027 |
DOI | 10.11320/ningendock.25.633 |
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Summary: | 目的:動脈硬化所見の存否より中心血圧の基準値を作成し,健診での測定意義と保健指導時の目標値を考える. 方法:健診受診者で上腕血圧が正常(収縮期<130mmHgかつ拡張期<85mmHgかつ未治療)の316例について,トノメトリ法により中心血圧を測定し,胸部X線写真,ECG,眼底,頸動脈,脳MRI・MRAの動脈硬化所見よりROC解析を行い基準値を作成した.また保健指導での目標値も考察した. 結果:ROC曲線の最尤度比点より中心血圧の基準値は125mmHgであった.また収縮期血圧120mmHg以上,拡張期血圧75mmHg以上で高中心血圧例が明らかに増加した. 結論:正常血圧でも高中心血圧例が存在し,その測定は潜在する動脈硬化例を発掘できるものと考える.また保健指導に際しては収縮期血圧120mmHg未満,拡張期血圧75mmHg未満を目標とすることが望ましいと考える. |
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ISSN: | 1880-1021 2186-5027 |
DOI: | 10.11320/ningendock.25.633 |