肝外胆管原発mixed adenoneuroendocrine carcinomaの1例

症例は64歳男性.心窩部痛を主訴に近医を受診した.その際,黄疸・肝機能障害あり,腹部単純CTにて肝内胆管拡張認めたため,閉塞性黄疸疑いにて当院紹介受診となった.腫瘍は左右肝管合流部から2cmと近く,胆汁細胞診にて腺癌の診断であり,遠位胆管を主座とする広範囲胆管癌の診断で亜全胃温存膵頭十二指腸切除術および拡大左肝切除術を施行した.病理組織検査では,神経内分泌癌成分,腺癌成分それぞれが30%以上を占め,mixed adenoneuroendocrine carcinoma(MANEC)と診断した.術後6カ月目に膵断端再発,多発肝転移を認め,gemicitabine+CDDP療法を3コース施行するも...

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Published inTando Vol. 32; no. 2; pp. 270 - 276
Main Authors 緒方, 衝, 恒成, 崇純, 青笹, 季文, 山本, 順司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.05.2018
Japan Biliary Association
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.32.270

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Summary:症例は64歳男性.心窩部痛を主訴に近医を受診した.その際,黄疸・肝機能障害あり,腹部単純CTにて肝内胆管拡張認めたため,閉塞性黄疸疑いにて当院紹介受診となった.腫瘍は左右肝管合流部から2cmと近く,胆汁細胞診にて腺癌の診断であり,遠位胆管を主座とする広範囲胆管癌の診断で亜全胃温存膵頭十二指腸切除術および拡大左肝切除術を施行した.病理組織検査では,神経内分泌癌成分,腺癌成分それぞれが30%以上を占め,mixed adenoneuroendocrine carcinoma(MANEC)と診断した.術後6カ月目に膵断端再発,多発肝転移を認め,gemicitabine+CDDP療法を3コース施行するも効果を認めず,S-1に変更したがその後も肝転移は進行し術後約15カ月で死亡した.MANECは早期からの転移を認めることが多く予後不良とされており,外科療法のみではなく,化学療法等を含めた集学的治療が重要である.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.32.270