ポルトランドセメント含有接着性根管充填用シーラーの細胞増殖への影響

抜髄後の根管充填においては,接着性を有する根管充填用シーラーを使用することが再感染防止の点で有利である,Mineral trioxide aggregate (MTA)は,殺菌作用と硬組織誘導能を有する水硬性セメントであり,直接覆髄,断髄,アペキシフィケーション,アペキソゲネーシス,パーフォレーション部の修復等の臨床応用が行われている.本研究では,MTAの効果を有する接着性根管充填用シーラーの開発を目的として,MTAの主成分であるポルトランドセメントを用いて,ポルトランドセメント含有試作根管充填用シーラーが細胞増殖に及ぼす影響について検討を行った.その結果,ポルトランドセメント含有量が10 w...

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Published inJournal of the Japanese Association of Regenerative Dentistry Vol. 15; no. 1; pp. 3 - 9
Main Authors 達山, 祥子, 梶原, 武弘, 星加, 知宏, 今井, 弘一, 西谷, 佳浩, 勝俣, 愛一郎, 高, 裕子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本再生歯科医学会 2017
Japanese Association of Regenerative Dentistry
Subjects
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ISSN1348-9615
1880-0815
DOI10.11223/jard.15.3

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Summary:抜髄後の根管充填においては,接着性を有する根管充填用シーラーを使用することが再感染防止の点で有利である,Mineral trioxide aggregate (MTA)は,殺菌作用と硬組織誘導能を有する水硬性セメントであり,直接覆髄,断髄,アペキシフィケーション,アペキソゲネーシス,パーフォレーション部の修復等の臨床応用が行われている.本研究では,MTAの効果を有する接着性根管充填用シーラーの開発を目的として,MTAの主成分であるポルトランドセメントを用いて,ポルトランドセメント含有試作根管充填用シーラーが細胞増殖に及ぼす影響について検討を行った.その結果,ポルトランドセメント含有量が10 wt%以下においては,試作シーラーから溶出した成分を含む培養液中においてもヒト歯根膜細胞の生存する細胞数に変化はなかった.また培養液のpHおよび培養液中に溶出するCaイオン濃度はポルトランドセメントの含有量依存性に上昇した.今後は本試作シーラーの根尖部における硬組織誘導能について検討を行う予定である.
ISSN:1348-9615
1880-0815
DOI:10.11223/jard.15.3