微小脳動脈瘤の塞栓術における出血性合併症の検討

「はじめに」脳動脈瘤に対するコイル塞栓術においては手技やデバイスが年々進歩し, ISATやCARATなどのように良好な成績が報告されている2)7). 現在, 最大径10mm未満の脳動脈瘤についてはコイル塞栓術の再開通率, 再出血率は低く, 開頭クリッピングと同等以上の成績をおさめているといえる9)11). このようにコイル塞栓術の治療成績は良好になっているものの, 出血性および虚血性合併症がある一定の頻度で生じるのも事実である10)12). 今回, 自験例での脳動脈瘤に対するコイル塞栓術の出血性合併症について検討した. その中で, 特に術中破裂が多いと報告される最大径3mm以下の微小脳動脈瘤に...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳卒中の外科 Vol. 41; no. 2; pp. 110 - 115
Main Authors 工藤, 忠, 大久保, 信治, 池田, 律子, 寺田, 友昭, 小林, 博雄, 檜山, 孝美, 大島, 幸亮
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2013
日本脳卒中の外科学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.41.110

Cover

More Information
Summary:「はじめに」脳動脈瘤に対するコイル塞栓術においては手技やデバイスが年々進歩し, ISATやCARATなどのように良好な成績が報告されている2)7). 現在, 最大径10mm未満の脳動脈瘤についてはコイル塞栓術の再開通率, 再出血率は低く, 開頭クリッピングと同等以上の成績をおさめているといえる9)11). このようにコイル塞栓術の治療成績は良好になっているものの, 出血性および虚血性合併症がある一定の頻度で生じるのも事実である10)12). 今回, 自験例での脳動脈瘤に対するコイル塞栓術の出血性合併症について検討した. その中で, 特に術中破裂が多いと報告される最大径3mm以下の微小脳動脈瘤についての出血性合併症を検討し, その原因と予防策について考察を加えたので報告する8)14). 「対象および方法」2006年4月から2011年12月までに, 当院および関連施設において272例の脳動脈瘤コイル塞栓術を施行した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.41.110