豚丹毒菌とはどういう微生物か

豚丹毒菌 Erysipelothrix rhusiopathiae はグラム陽性の細胞内寄生性を示す桿菌であり,ヒト,家畜,野生の陸生および海棲哺乳類,鳥類など,多くの脊椎動物に感染し豚丹毒症を引き起こす。野生哺乳類の場合,感染経路は不明であるが,飼育豚では,健康個体の多くは本菌を扁桃や他のリンパ組織に保菌しており,生体の抵抗性を減弱させるような条件が加わった場合に,これらの菌が体内で増殖後に拡散し,発病へと進展すると考えられている。本稿では,本菌のゲノム解読から得られた新しい知見の他,本菌の病原性と宿主防御機構について説明する。...

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Bibliographic Details
Published in日本野生動物医学会誌 Vol. 24; no. 4; pp. 129 - 133
Main Author 下地, 善弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本野生動物医学会 20.12.2019
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ISSN1342-6133
2185-744X
DOI10.5686/jjzwm.24.129

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Summary:豚丹毒菌 Erysipelothrix rhusiopathiae はグラム陽性の細胞内寄生性を示す桿菌であり,ヒト,家畜,野生の陸生および海棲哺乳類,鳥類など,多くの脊椎動物に感染し豚丹毒症を引き起こす。野生哺乳類の場合,感染経路は不明であるが,飼育豚では,健康個体の多くは本菌を扁桃や他のリンパ組織に保菌しており,生体の抵抗性を減弱させるような条件が加わった場合に,これらの菌が体内で増殖後に拡散し,発病へと進展すると考えられている。本稿では,本菌のゲノム解読から得られた新しい知見の他,本菌の病原性と宿主防御機構について説明する。
ISSN:1342-6133
2185-744X
DOI:10.5686/jjzwm.24.129