ワーファリン内服中の頭蓋内出血患者に対するRecombinant Factor VIIaの使用経験

「はじめに」 心房細動の有病率は年齢とともに増加し, 80歳以上になると人口の9-14%を占めるとされる. わが国においての疫学調査でも60歳を超えると有病率は上昇し, 抗血小板剤や抗凝固療法を受けている患者が増加している. 抗凝固療法施行中の頭蓋内出血に対する治療は難渋し, 予後も重篤なことが多い. 今回ワーファリン内服中の頭蓋内出血に対して遺伝子組み換え活性型血液凝固第VII因子製剤(以降FVIIと略す)を拮抗薬として使用したので報告する. 海外では脳内出血患者の約20%にワーファリン内服が認められている3)が, 当院においては3年間354例の脳内出血患者のうち22症例6.2%でワーファリ...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 40; no. 1; pp. 14 - 18
Main Authors 根岸, 正敏, 林, 悟, 西本, 陽央, 長谷川, 義仁, 高橋, 潔, 竹内, 敦子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2012
日本脳卒中の外科学会
Subjects
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.40.14

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Summary:「はじめに」 心房細動の有病率は年齢とともに増加し, 80歳以上になると人口の9-14%を占めるとされる. わが国においての疫学調査でも60歳を超えると有病率は上昇し, 抗血小板剤や抗凝固療法を受けている患者が増加している. 抗凝固療法施行中の頭蓋内出血に対する治療は難渋し, 予後も重篤なことが多い. 今回ワーファリン内服中の頭蓋内出血に対して遺伝子組み換え活性型血液凝固第VII因子製剤(以降FVIIと略す)を拮抗薬として使用したので報告する. 海外では脳内出血患者の約20%にワーファリン内服が認められている3)が, 当院においては3年間354例の脳内出血患者のうち22症例6.2%でワーファリンの内服が認められた. ワーファリンはクマリンの誘導体であり, ビタミンKを介して凝固因子やプロテインC, S活性を阻害しその作用を発現する. 薬物相互作用や食物摂取などにより効果が影響を受けやすく, 定期的な調整が必要とされる.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.40.14