カキからのノロウイルスRNA抽出方法の検討
カキに蓄積されたNVをPCR法を用いて検出する際, カキに含まれるPCR阻害物質による検出率の低下が問題とされている. そこでわれわれは, PCR阻害物質の除去を目的にカキからのNVの核酸抽出法としてフェノール-クロロホルム-イソアミルアルコール (25 : 24 : 1) 混合液による処理を行った後に, QIAamp Viral Viral RNA MiniKitを用いてウイルスRNAを抽出する核酸抽出法, PQ法を用いて, 厚生労働省のノロウイルス検査指針による核酸抽出方法との比較を行った. また, CTAB法による抽出処理を行った後に標準法による核酸抽出を行うCTAB複合法についても併せ...
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| Published in | 日本食品微生物学会雑誌 Vol. 24; no. 4; pp. 157 - 162 |
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| Main Authors | , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本食品微生物学会
2007
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| ISSN | 1340-8267 1882-5982 |
| DOI | 10.5803/jsfm.24.157 |
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| Summary: | カキに蓄積されたNVをPCR法を用いて検出する際, カキに含まれるPCR阻害物質による検出率の低下が問題とされている. そこでわれわれは, PCR阻害物質の除去を目的にカキからのNVの核酸抽出法としてフェノール-クロロホルム-イソアミルアルコール (25 : 24 : 1) 混合液による処理を行った後に, QIAamp Viral Viral RNA MiniKitを用いてウイルスRNAを抽出する核酸抽出法, PQ法を用いて, 厚生労働省のノロウイルス検査指針による核酸抽出方法との比較を行った. また, CTAB法による抽出処理を行った後に標準法による核酸抽出を行うCTAB複合法についても併せて検討した. NV, GI/4近似株, GII/4近似株を添加した10%カキ乳剤から各抽出方法を用いて得られた検出率では, 標準法が57%, CTAB複合法が88%であったのに対し, PQ法では97%であった. また, 定量値においてもPQ法は最も高い値を示した. PQ法は簡易な操作で実施できることから, カキ検体からのNV検出方法として有用であると示唆された. |
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| ISSN: | 1340-8267 1882-5982 |
| DOI: | 10.5803/jsfm.24.157 |