子宮頚部異形成患者に対するクリニチップ™を用いたHPV検出

子宮頚部癌の原因はHPV (ヒトパピローマウィルス) 感染であり, とくにハイリスク型のHPVの持続感染がこの癌の発生に関与することが知られている。当院では2011年暮れよりHPVジェノタイピング検査を院内検査化した。検査が行なわれた111例について検出傾向をまとめてみると, 16, 52, 58型が多く検出され, 18型は低頻度であった。この傾向は全国的な傾向と同様であった。高齢者では, 52, 56, 58型が多い傾向も明らかになった。細胞診陰性例と陽性例ではHPV感染率に差があるが, 細胞診陰性例と陽性例の中でHPVの型に差はなく, さらにHPVの重複感染は腫瘍の進展と有意な関係があった...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 63; no. 1; pp. 29 - 34
Main Authors 島袋, 剛二, 池田, 聡, 鈴木, 恵子, 永田, 千草
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2014
日本農村医学会
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.63.29

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Summary:子宮頚部癌の原因はHPV (ヒトパピローマウィルス) 感染であり, とくにハイリスク型のHPVの持続感染がこの癌の発生に関与することが知られている。当院では2011年暮れよりHPVジェノタイピング検査を院内検査化した。検査が行なわれた111例について検出傾向をまとめてみると, 16, 52, 58型が多く検出され, 18型は低頻度であった。この傾向は全国的な傾向と同様であった。高齢者では, 52, 56, 58型が多い傾向も明らかになった。細胞診陰性例と陽性例ではHPV感染率に差があるが, 細胞診陰性例と陽性例の中でHPVの型に差はなく, さらにHPVの重複感染は腫瘍の進展と有意な関係があった。 異形成のフォロー中の患者で, 細胞診陰性例ではハイリスクHPVが陰性化している患者も多く存在し, 日常診療でのフォローアップ頻度を軽減できる可能性があり, HPVジェノタイピング検査の併用が患者のトリアージに際し有用であると思われた。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.63.29