腹壁破裂を合併した結腸閉鎖症に対して,器械吻合による一期的結腸吻合後sutureless腹壁閉鎖を施行した1例

症例は36週4日,2,370 gで出生した腹壁破裂の女児.出生後,脱出した腸管を確認すると結腸閉鎖を合併していた.その口側盲端にはpinholeがあいていたが腹腔内の汚染はなく,一旦サイロ造設し翌日結腸閉鎖に対する手術を施行した.腸管を洗浄しながら癒着剥離を行い結腸閉鎖部の口側・肛門側を確認し,血流の十分ある部分で自動縫合器による機能的端々吻合を行った.腸管は浮腫が強く腹腔内に還納できなかったため,再度サイロを造設して手術を終了した.その後1週間かけて腸管を腹腔内に還納し,第9生日にsutureless法で腹壁閉鎖を行った.術後経過は良好で,第19生日にfull feedingとなり,第32生...

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Published in日本小児外科学会雑誌 Vol. 57; no. 1; pp. 22 - 26
Main Authors 城田, 千代栄, 大島, 一夫, 田中, 裕次郎, 住田, 亙, 横田, 一樹, 千馬, 耕亮, 牧田, 智, 田井中, 貴久, 内田, 広夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児外科学会 20.02.2021
日本小児外科学会
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ISSN0288-609X
2187-4247
DOI10.11164/jjsps.57.1_22

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Summary:症例は36週4日,2,370 gで出生した腹壁破裂の女児.出生後,脱出した腸管を確認すると結腸閉鎖を合併していた.その口側盲端にはpinholeがあいていたが腹腔内の汚染はなく,一旦サイロ造設し翌日結腸閉鎖に対する手術を施行した.腸管を洗浄しながら癒着剥離を行い結腸閉鎖部の口側・肛門側を確認し,血流の十分ある部分で自動縫合器による機能的端々吻合を行った.腸管は浮腫が強く腹腔内に還納できなかったため,再度サイロを造設して手術を終了した.その後1週間かけて腸管を腹腔内に還納し,第9生日にsutureless法で腹壁閉鎖を行った.術後経過は良好で,第19生日にfull feedingとなり,第32生日に退院した.結腸閉鎖合併腹壁破裂症例では人工肛門造設が一般的であるが,自動縫合器を用いることで口径差を気にせず吻合を行うことができるため,有効な方法と考えられた.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.57.1_22